最新記事

<ワールド・ニュース・アトラス/山田敏弘>

ケリー首席補佐官が初会見で語った、北朝鮮とトランプ

2017年10月20日(金)18時00分
山田敏弘(ジャーナリスト)

7月に首席補佐官に就任した元米軍海兵隊大将のケリー Yuri Gripas-REUTERS

<北朝鮮との戦争について「外交が機能することを望もう」と、差し迫った緊張感はないことを示唆したトランプ最側近のケリー>

日本の総選挙のすぐ後の11月5日に、ドナルド・トランプ米大統領が訪日・訪中することが決まった。挑発的な言動を繰り返す北朝鮮に対して、トランプは相変わらず「軍事オプション」の雰囲気をうまく醸し出しながら挑発発言で応えている。ただ結局、この「緊迫する北朝鮮情勢」をトランプ政権は本当のところどう見ているのだろうか。

先日、それを読み解くヒントになりそうなイベントがあった。2017年10月12日、米ホワイトハウスのジョン・ケリー首席補佐官が、就任後初となる記者会見を行なった。

ケリーといえば現在、トランプの側近であり、首席補佐官はホワイトハウスを管理する官房機能のトップだ。トランプに直接助言をできる立場にいる数少ない人物であることは間違いない。

そんな側近としてトランプを客観的に語れる「大人」のケリーが、記者会見で北朝鮮などについて30分ほど話をした。

元米軍海兵隊大将のケリーは国土安全保障長官から7月31日に現職に就いたばかりだ。

米メディアの報道には、この会見でケリーの本音が見えたと分析するものもある。例えば、こんなコメントだ。

「アメリカという国を運営するのは本当にハードワークだ」

この発言に、やはりケリーが実質的な権力者だということではないか、と指摘する声が出ている。しかもケリーが慌てて次のように言い直したこともその"疑惑"を後押しした。「私が運営しているのではないが、何年も語ってきたように、この国に身を捧げる人のために働いている」

ちょっと上げ足取りのような感じもするが、とにかくケリーの一言一句まで厳しく分析され、メディアもそこから本音を拾おうと必死だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・イランが間接協議、域内情勢のエスカレーション回

ワールド

ベトナム共産党、国家主席にラム公安相指名 国会議長

ワールド

サウジ皇太子と米大統領補佐官、二国間協定やガザ問題

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 7

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 8

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 8

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中