最新記事
南米ベネズエラで軍が小規模な反乱 制憲議会は検事総長を解任
8月6日、ベネズエラ当局は、同国バレンシア市近郊にある軍の基地で発生した小規模な反乱を鎮圧し、マドゥロ政権への「テロ攻撃」を企てたとして7人を拘束した。写真はベネズエラ北部バレンシアで催涙ガスを使う治安部隊(2017年 ロイター/Andres Martinez Casares)
ベネズエラ当局は6日、同国バレンシア市近郊にある軍の基地で発生した小規模な反乱を鎮圧し、マドゥロ政権への「テロ攻撃」を企てたとして7人を拘束した。
ソーシャルメディアには、4日の制憲議会発足に反対して「決起」した旨を軍服の集団が説明する動画が6日に投稿されている。
国防省の発表では反乱グループの一部は武器を携帯して基地から逃走し、治安部隊が徹底的に捜索しているという。
バレンシアの住民の話によると、反乱を支持する数百人の人々が街頭に繰り出した。そのほとんどは催涙ガスで追い払われたが、マドゥロ大統領の強権的な政治に対する国民の反発が広がっている様子が浮き彫りになった。
5日には、マドゥロ氏への批判を続けてきたルイサ・オルテガ検事総長を制憲議会が解任し、オルテガ氏に出廷を命令。制憲議会の権限が反政権勢力の締め出しに使われるのではないかとの懸念が現実化しつつある。
今後の政治情勢で鍵を握るのは軍部の動向とみられており、野党は軍首脳部に対してマドゥロ政権とたもとを分かつよう再三呼び掛けている。しかし、軍首脳部は政府への忠誠を維持。多くの軍関係者が政府との旨味のある契約や汚職、密輸などに関わっており、野党政権になって糾弾される事態を懸念し、マドゥロ氏が大統領の座にとどまることを望んていると指摘されている。
ただ、デモ鎮圧に実際に駆り出され、薄給に甘んじている軍の下級将校の間では、現状への不満が高まりつつある。