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北朝鮮ナンバー2粛清を招いた中国ファクター
張成沢の処刑後も、北朝鮮当局は中国で事業を行う張ゆかりの北朝鮮人を本国に呼び戻しているという
権力の代償 死刑判決を下された後、連行される張成沢(12月12日) Yonhap-Reuters
先週、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔父で後見人とされてきた張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長が粛清されたというニュースは、世界に大きな衝撃と波紋をもたらした。
北朝鮮ウォッチャーの間では、張の処刑をめぐるさまざまな臆測が飛び交っているが、信憑性のある説の一つは、張が築いた中国との強いパイプがあだになったというもの。北朝鮮と中国は経済的にも政治的にも強い同盟関係にあるが、金正恩体制における実質上のナンバー2と見なされてきた張はとりわけ中国のビジネス界と関係が深いことで知られていた。
金正日(キム・ジョンイル)政権時代に築いた人脈を土台に、極貧にあえぐ北朝鮮との貿易を増強したがっている人々の間で高く支持された。この強いパイプが金体制に危険視され、結果的に張の粛清を招いたのかもしれない。
北朝鮮の資源を安売り
張を全役職から解任するとした当局の発表には、「国の貴重な資源を安く売り渡す売国行為を行い、国家の財政管理システムに大きな混乱をもたらした」と記されている。これは、張が中国に鉄を安く売り渡していたことを指しているとの見方が広がっている。「ごくシンプルで現実的な理由として考えられるのは、張の力が大きくなり過ぎたということだ」と、リスクコンサルティング会社コントロール・リスクス・グループのクリス・トレンズは言う。
目をつけられたのは張だけではないかもしれない。北朝鮮当局は先ごろ、中国で事業を行う北朝鮮人たちに帰国を命じたとの情報もある。韓国の聯合ニュースによれば、帰国命令は張と「関係していた」とみられる者を対象にしたものだという。
中国は、粛清について控えめな姿勢を保っている。同国の王毅(ワン・イー)外相は一連の動きは「重要な変化」であり、張の粛清は「北朝鮮内部の問題だ」としている。