最新記事

アフリカ

ウガンダ大統領がラッパーに転身?

2010年11月26日(金)15時28分
中村美鈴(本誌記者)

乗ってるか ラッパー「M-7セント」ことムセベニ大統領 Xavier Toya-Reuters

 ウガンダで今、乗りに乗ってる新人ラッパーがいる。66歳のムセベニ大統領だ。

 先月発表した新曲「俺のラップをもっと聴きたいか」がクラブやラジオで繰り返し流され、携帯の着メロとしても大ヒット。アフリカンなビートにのせて重低音のしゃがれ声でライムを刻む大統領には、アメリカのラッパー、50セントをもじって「M�7セント」というニックネームまで付けられた。

 どうやらムセベニは来年2月の大統領選をにらんで、若い有権者の心をつかもうとしているらしい。今のところ再選の公算が高いとみられているが、ムセベニの4半世紀にわたる長期政権には批判的な見方もある。

 ムセベニは1986年、クーデターを経て大統領に就任。05年に憲法を改正して大統領の3選禁止規定を撤廃し、現在「3期目」を務めている。01年と06年の選挙では、政府による野党への脅迫や暴力疑惑が指摘された。10月末から始まった今回の選挙戦でも、既に不正を警戒する声が上がっている。

 アミンやオボテといった悪名高い独裁者を倒して政権に就いたムセベニが、ウガンダに政治的な安定と経済成長をもたらしたのは間違いない。だが、そろそろ新しい指導者にバトンを渡してもいい頃だろう。

 たとえ引退してもラッパーとしての道があるのだから。

[2010年12月 1日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

S&P500の25年末見通し、ドイツ銀7000・バ

ビジネス

米国株式市場=続伸、国債利回り低下が支援 米財務長

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、米財務長官指名で長期金利が

ワールド

米検察、トランプ氏起訴取り下げへ 議会襲撃と機密文
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 3
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 4
    テイラー・スウィフトの脚は、なぜあんなに光ってい…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「典型的なママ脳だね」 ズボンを穿き忘れたまま外出…
  • 7
    日本株は次の「起爆剤」8兆円の行方に関心...エヌビ…
  • 8
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 9
    またトランプへの過小評価...アメリカ世論調査の解け…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中