中国とインドが払うツケ
2009年10月9日(金)16時25分
農作物の収穫に影響も
米大気研究所の気象学者ジェラルド・ミールによれば、気候変動がモンスーン(季節風)に及ぼす影響はまだ解明されていない。インドのモンスーンは陸地と海面の気温差から生まれる。夏には陸地の気温がインド洋上の気温より高くなり、湿った空気が海から陸へと吹いて地上に大量の雨を降らせ、農作物に恵みをもたらす。
だが温暖化で陸地と海面の気温差が今以上に大きくなると、モンスーンの威力も一段と増し、悲惨な犠牲が増えるかもしれない。現に04年のインドでは、モンスーン被害で2200人が死亡している。
またモンスーンの時期がずれれば、農作物の収穫に好ましくない影響を及ぼす恐れもある。ただし中国では、モンスーンの規模が弱まるかもしれない。温暖化の影響は地域によって異なるからだ。
中国やインドは過去の罪を先進国に償わせれば、干ばつや洪水を防げるとでも考えているのだろうか。もしそうなら、考え直したほうがいい。
[2009年9月 9日号掲載]
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