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米軍事

米ロ核軍縮で爆撃機は廃止か

2009年12月25日(金)11時09分
ジョン・バリー(軍事問題担当)

12月5日、アメリカが91年にソ連と締結した第1次戦略兵器削減条約(START1)が失効した。ロシアとの後継条約の締結はまだ先になりそうだが、米空軍は早くも、B52H戦略爆撃機とB2ステルス戦略爆撃機の命運を懸念している。

 アメリカは半世紀の間、「核の3本柱」を配備してきた。大陸間弾道弾(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル、そして爆撃機に搭載する爆弾や巡航ミサイルだ。だが米ロが核削減に乗り出すなか、柱を2本あるいは1本に減らすべきかどうかが取り沙汰されている。

 米空軍の主要なロビー団体である空軍協会は先日、アメリカは爆撃機を段階的に廃止し、潜水艦とミサイルの「2本柱に徐々に移行すべき」という調査報告書を発表した。アメリカの爆撃機は大部分が老朽化しており、最新鋭のB2に代えるには1機当たり20億ドルも掛かるからだという。同協会の調査部門の責任者レベッカ・グラントは「空軍には受け入れ難い話だろう。空軍関係者はまだ核爆撃機に執着している」と言う。

 折しもオバマ政権は国防関連の大型プロジェクトや核戦略体制の見直しを進めている。ゲーツ国防長官は09年4月、新型爆撃機の開発計画を中止した。ただし今後、「無人爆撃機」という選択肢はあるかもしれない。

[2009年12月30日号掲載]

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