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ノーベル賞物理学賞の梶田氏「宇宙の謎解きに若い人は参加を」
素粒子ニュートリノの謎に迫った科学者は次世代へのメッセージを語る
10月6日、今年のノーベル物理学賞は素粒子ニュートリノに質量があることを発見した東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏とカナダのアーサー・B・マクドナルド氏が受賞した(2015年 ロイター/Fredrik Sandberg/TT News Agency)
スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2015年のノーベル物理学賞に、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏とカナダのアーサー・B・マクドナルド氏に授与すると発表した。
梶田氏らは、質量がないと考えられていた素粒子ニュートリノに質量があることや「ニュートリノ振動」という現象を実証した。
王立科学アカデミーは「この発見が物質の最も内側の動きについての理解を変えた」と賞賛した。
梶田氏は記者会見で「本当に光栄に思う」と受賞の喜びを語った。「大きい問題というのは1日とか2日の短い研究で解決できるものではなく、たくさんの人が興味をもって、長い年月をかけて解き明かしていくというもの。そのような宇宙の謎解きに、若い人にはぜひ参加してほしい」と述べた。
受賞決定後、安倍晋三首相は同氏に電話で「2日連続でノーベル賞受賞。日本中が今、喜びに沸き立っている」と語った。同氏の研究は「それまでの物理学の定説を覆す画期的なもので、世界中が驚いたと聞いている。まさに日本の基礎研究の底力を示すものだ。本当に誇りに思う」と祝意を表した。
物理学賞は今年のノーベル賞2つ目の発表。
前日の生理学・医学賞では、寄生虫による熱帯病の治療薬を開発した大村智・北里大学特別栄誉教授が受賞しており、日本人が連日の受賞に輝いた。日本人のノーベル賞受賞はこれで24人目。物理学賞の受賞は、昨年に青色発光ダイオード(LED)開発で受賞した赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏に続いて11人目となる。