比大統領「犯罪計画見過ごせず」、当局が脅迫で副大統領を捜査へ
フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領が、自分が殺された場合にマルコス大統領を暗殺するよう「殺し屋を雇った」などと発言したことを巡って、マルコス氏は25日、脅迫を軽視するつもりはないと述べた。写真はマルコス大統領。10月撮影。(2024年 ロイター/Athit Perawongmetha/File Photo)
Mikhail Flores
[マニラ 25日 ロイター] - フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領が、自分が殺された場合にマルコス大統領を暗殺するよう「殺し屋を雇った」などと発言したことを巡って、マルコス氏は25日、脅迫を軽視するつもりはないと述べた。
マルコス氏はビデオメッセージで「このような犯罪計画を見過ごすことはできない」とした。副大統領を名指しはしなかった。
「この数日に聞いた発言は問題だ」とした上で、「私は彼女らと闘う」と宣言した。
副大統領の発言を受けて、治安当局は週末、警備を強化するとともに、調査を実施することを明らかにした。
一方、サラ氏は記者団に対し、大統領の声明をまだ聞いていないが、後で返答すると述べた。
司法省によると、副大統領に訴追免除の特権はなく、サラ氏は脅迫で国家捜査局から呼び出しを受けることになる。
同省のジェシー・ヘルモゲネス・アンドレス次官は記者会見で「これは深刻な脅迫であり、非常に高い官職に就く当局者からなされたこのような種類の脅迫に対して法的措置をとらないのであれば、わが国にとって非常に、非常に悪い前例となる」と述べた。
サラ氏のマルコス氏への攻撃は、サラ氏の父のドゥテルテ前大統領が2016─22年の任期中に推進した薬物犯罪対策「麻薬戦争」における数千人の殺害について議会で追及された数週間後に行われた。
マルコス政権は議会の公聴会で、国際刑事裁判所(ICC)が人道に対する罪の疑いで調査しているドゥテルテ前大統領の逮捕に向けた国際的な取り組みに協力する姿勢を初めて示していた。