最新記事

キャリア

【図解】そもそもお金持ちって?

How to Become a Billionaire, Part. 1

「お金持ち」のイメージにはいろいろあるが、世の中には誤解をしている人も多い

2015年9月18日(金)19時02分

 いまアメリカを騒がせている富豪といえば、不動産王のドナルド・トランプ。共和党の大統領選候補として名乗りを上げている。その言動が賛否を呼んでいるが、お金持ちであることは間違いない。フォーブス誌によれば、2015年のビリオネア・ランキング405位で、総資産額は41億ドルだ。

 405位ですら、日本円にして4800億円以上。途方もない金額だ。ちなみに同ランキングの1位はビル・ゲイツで、総資産額は792億ドル。日本人1位は柳井正・ファーストリテイリング創業者兼社長で、総資産額は211 億ドル(約2 兆5109 億円、親族分も含む)である。

 一体どうすれば、これほどのお金持ちになれるのだろうか。天文学的な資産を築きたいかどうかはともかく、豊かで不自由のない生活を送りたいというのは誰もが考えることだろう。しかし、評論家であり、億単位の資産を運用する個人投資家でもある加谷珪一氏は「お金持ちになりやすいタイプや、絶対的な儲けのテクニックなどない」と言う。

 それでも、落胆することはない。加谷氏によれば、お金持ちに特有の思考パターンや行動原理は確かに存在する。それらを知り、お金持ちのように考え、行動することが、お金持ちへの近道というわけだ。

 加谷氏がお金持ちの"実像"をつまびらかにした『お金持ちの教科書』と『図解 お金持ちの教科書』(ともにCCCメディアハウス)。ここでは『図解 お金持ちの教科書』の「第1章 お金持ちってどんな人?」から一部を抜粋し、6回に分けて掲載する。

<*下の画像をクリックするとAmazonのサイトに繋がります>


『お金持ちの教科書』
 加谷珪一 著
 CCCメディアハウス



『図解 お金持ちの教科書』
 加谷珪一 著
 CCCメディアハウス


◇ ◇ ◇

 皆さんは「お金持ち」と言うと、どんなイメージを持つだろうか? 会社の社長さん?  ブランド物で身を固めてベンツやフェラーリを乗り回す人?  それとも豪華なディナーやため息が出るようなパーティだろうか?

 一方で、「本当のお金持ちは地味で慎ましい」という話もよく聞く。代々続く資産家の家は、上品だが質素な身なりをしていて、決してお金を持っていることを鼻にかけないらしい。また、こんな会話もよく耳にする。「××の旦那さんは上場企業の役員なんだって。やっぱり上流階級のお金持ちは違うわよね」

 一体どんな人が、本当のお金持ちなのだろうか。

同じお金持ちでも、資産家と高給取りは違う

 実は、世の中のほとんどの人が、お金持ちのことをよく理解していない。最大の間違いが、

・「毎年の収入が多いこと」
・「資産をたくさん持っていること」
・「社会的地位が高いこと」

 を混同していることだ。

 フェラーリに乗っているちょいワル風のオヤジは、年収は高額かもしれないが、その裏には多額の借金があるかもしれない。一方、代々の土地持ち一家は、資産の額は莫大であっても、年収は普通のサラリーマンと変わらないかもしれない。では、フェラーリオヤジと土地持ち一家では、どちらがお金持ちだろうか?  答えは、どちらもお金持ちである。ただし重要なことは、フェラーリオヤジは資産家ではないが、土地持ち一家は資産家だということ。少し難しい話をすると、フローとストックの違いなのだ(このあたりは追って説明する)。

 つまり、フロー(毎年の収入)が極めて大きい人、もしくはストック(持っている資産)が極めて大きい人のことを、世の中ではお金持ちと呼んでいる。だから、例にあげた2人はどちらもお金持ちだ。

 一方、収入や資産が多いことと、会社での地位は必ずしも一致するわけではない。大企業の部長や役員であっても、日本企業の場合、1年間の収入は大した額ではない。大企業のお偉いさんは、社会的な地位が高いことは間違いないが、お金持ちなのかどうかは、それだけでは判断できないのだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザでの戦争犯罪

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、予

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ発表 初の実戦使用

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 2
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッカーファンに...フセイン皇太子がインスタで披露
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 5
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 6
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中