最新記事
K-POP

BTS Vが出演した超話題曲を抜き去りK-POP1位独走する歌手BIBIって誰?

2024年3月9日(土)21時02分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

なぜ突然の大ブレーク!?

『栗ようかん』がヒットした理由として、今のK-POPのトレンドに合っているという指摘も出ている。韓国メディア毎日経済によれば、それまでの強いビートと聴き取ることが難しいくらいの高速ラップ、ファンでなければ分からないような独自の世界観で大衆を置き去りにしていたK-POPが、NewJeansの成功以降、イージーリスニングの方向に流れを変えて、1990〜2000年代に流れていたようなポップスに戻っているという。そしてそのトレンドの延長線上にIUの『ラブ・ウィンズ・オール』やBIBIの『栗ようかん』があって、多くの支持を受けているというのだ。

BIBIの『栗ようかん』のヒットについては、別の面白い分析もネット上で出ている。それはこの曲を作ったチャン・ギハによるIUへの復讐だというのだ。

チャン・ギハ

BIBI『栗ようかん』の作詞・作曲を担当したチャン・ギハ。BIBI(비비)『栗ようかん(밤양갱)』のミュージックビデオより BIBI / YouTube

大ヒット曲を生み出したチャン・ギハとは?

父親が外資系韓国企業の社長、自分はソウル大学社会学科卒業という異色の経歴をもつミュージシャン、チャン・ギハ。2012年の第9回韓国大衆音楽賞では、「今年のアルバム」「今年の音楽人」「最優秀ロックアルバム」「最優秀ロックソング」の4部門受賞するなど韓国のロックシーンをリードするアーティストだ。2018年まで10年間活動していたバンド、チャン・ギハと顔たちには韓国在住の日本人ミュージシャン長谷川陽平が参加していたので日本でも彼らの活動は知られている。

そんなチャン・ギハだが、2015年10月、韓国芸能ニュース専門サイトディスパッチが突然IUとの熱愛スクープを報じて話題を集めた。それも既に交際を始めて2年が経過しているということだった。ソロの女性K-POPアイドルとして人気実力ともナンバーワンのIUと、芸能ニュースとは縁遠いロックシンガーのチャン・ギハという意外なカップルの誕生は、驚きをもって迎えられた。ただ、この2人の交際はスクープから1年あまりの2017年1月に双方の事務所が「良い先輩と後輩の間柄に戻ることにした」と発表して幕を閉じた。

チャン・ギハは2918年にチャンギハと顔たちの最終アルバム『mono』に収録された曲『並んで』に


「帆船に乗って果てしない海を渡ったりもしたね。月へ行く宇宙船を予約しているとき僕はびっくりしたよ。もう 君は 立ち去って いなかった。並んで歩けばよかった。向かい合って笑えばよかった。じっと考えてみればよかった。本当に君が何を望んでいるのか」

と書いた。そして今回BIBIが歌った『栗ようかん』はその相手側の女性の気持ちを描いたアンサーソングだという。

確かにIUが人気若手俳優のイ・ジョンソクとの交際を2023年に公表してから初めてのアルバム発売に合わせて、チャン・ギハが5年間しまっていた『栗ようかん』をBIBIに歌わせたことで、結果的にIUのチャート独走にストップをかけた。「何かしら意図があるのでは?」とネット民が騒ぎ立てるのも無理はないだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ラファの軍事作戦拡大の意向 国防相が米

ワールド

焦点:米支援遅れに乗じロシアが大攻勢、ウクライナに

ワールド

南ア憲法裁、ズマ前大統領に今月の総選挙への出馬認め

ワールド

台湾新総統が就任、威嚇中止要求 中国「危険なシグナ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『悪は存在しない』のあの20分間

  • 4

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 9

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中