チャイナリスク関連倒産が国内で急増、中国景気の減速警戒し日本株急落
HSBC(香港)の日本担当エコノミスト、デバリエいづみ氏の試算では、中国の成長率が0.5%ポイント低下すると、日本の成長率も0.4%落ち込む。「中国向け輸出の落ち込みよりもアジア新興国の景気減速が日本を直撃する」という。
日本の11月機械受注(民需)は前月比14.4%減と事前予想の7.9%減を大きく下回った。前月の大型受注の反動を考慮しても、マイナス幅が大きい。SMBC日興証券・チーフエコノミスト、牧野潤一氏は「企業は設備投資の必要性を認識しつつも、世界景気懸念からその実行を躊躇(ちゅうちょ)しているようだ」とみる。
14日の市場で、日経平均<.N225>は一時700円を超える下落となり、1万7000円を割り込んだ。予想PER(株価収益率)は14倍付近まで低下している。
しかし、中国発の景気減速が強まる中で、企業業績への不安が台頭。「今の水準が割安とは言い切れなくなってきた」とJPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏は話す。
年初からの急落が止まらない日本株だが、フェアバリューを見出すまで下値を固めるのは難しく、不安定な展開が続く可能性が大きいとみられている。
(伊賀大記 編集:田巻一彦)