チャイナリスク関連倒産が国内で急増、中国景気の減速警戒し日本株急落
2014年のデータで見て、日本の最大の貿易相手国は中国。輸出入総額は約32兆円で全体の20%。第2位の米国の21兆円、13%を大きく上回る。
今年は中国景気の減速が直撃か
しかし、東京商工リサーチでは、今後は「コスト増」以外の倒産が増える可能性があると指摘する。「中国の景気減速で倒産件数は前年以上に増える可能性が高まっている」という。
昨年9月、東京地裁に民事再生法の適用を申請した第一中央汽船。中国の景気減速にともなうばら積み貨物の需要減少で運賃と傭船料の逆ザヤが拡大。負債総額1196億円の大型倒産となった。
ばら積み船運賃の国際市況を示すバルチック海運指数<.BADI>は、中国が石炭や鉄鉱石輸入を減少させる中で、過去最低を更新し続けている。足元は約400ポイントと2015年8月の水準から約3分の1の水準に下落。08年5月のピークには1万1000ポイントを超えていた。
円安は止まったが、中国景気は一段と減速。今後、日本の製造業から見た受注悪化や、過剰在庫商品が採算度外視の価格で日本に入ることで値崩れを起こす可能性もあるという。「インバウンド消費」が急に減ることはないとしても、明暗が分かれる企業が出てきそうだ。
見失った「フェアバリュー」
さらに国内総生産(GDP)で世界第2位の規模を有する中国の景気減速は、世界景気に連動しやすい日本企業の収益も圧迫する。今年、中国のGDPは6%後半の成長が見込まれている。先進国に比べれば依然として高い成長率だ。
しかし、中国の2桁成長を前提に組んでいた投資計画も多い。成長減速にともない計画の見直しを迫られれば、資金回収ができないケースも増えてくる。
12月の中国の貿易統計で、輸出は市場予想を上回り好材料と受け止められた。しかし、輸出増は12月以降の人民元安のプラス効果もあった。人民元安は、輸出を後押しするが、資金流出を促しかねない「両刃の剣」。さらに中国からの輸出が増えれば、ライバルであるアジア新興国の輸出を圧迫することになる。