SPECIAL ADVERTISING SECTION

自分を創る音の風景

vol.4 歌手 平原綾香さん

2014年06月23日(月)12時01分

──サックス奏者としての道を歩んでいたなか、歌に対して関心が向かっていったのは何がきっかけだったんですか?
「高校のとき、文化祭のミュージカルで歌ったのが最初だったんです。人前で歌うのが苦手だったんですけど、同じ高校に通っていた姉もミュージカルで歌っていて、その姿に憧れたんですね。でも、人前で歌うのが苦手だったので、最初はサックスを吹くような感覚で歌おうとしていました。サックスって人間の声に一番近い楽器とも言われていて、音と声の出し方って似てるんですよ」

──ただ、サックスと歌の一番の違いは歌には言葉があり、メッセージが含まれるということですよね。
「そうですね。最初は英語で歌うほうが楽だったんですよ。『Jupiter』でデビューすることになって日本語で歌う難しさに改めて直面して......でも、日本人としては日本語で歌を届けたいと思ったし、とにかく練習しましたね」

平原綾香さん──その『Jupiter』はホルストの"惑星"の第4曲"木星 快楽をもたらす者"が原曲ですよね。ホルストはそれ以前から思い入れのある作曲家だったんですか?
「いや、それほどでもなかったんです。大学1年のときはジャズ科でサックスを勉強していたんですけど、クラシックを聴く授業があって、そのときに先生が流したのがホルストだったんですね。そのときにはすでにデビューが決まっていたので、デビュー曲を何にするか考えていた時期だったんですけど、聴いた瞬間に涙が零れてきて。そのときすぐに<この曲を歌いたい!>と思ったんです」

──今の平原さんにとって、クラシックとはどういう存在なんですか?
「人生の一番大切なときに助けてくれた恩人だと思っています。デビューのきっかけとなった文化祭のミュージカルでもベートーヴェンの"第九"の第四楽章を歌いましたし、デビュー曲もホルストの『Jupiter』。自分の転機にはいつもクラシックがあったんですよ」

──今年の3月から4月にかけてはミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』にも出演されましたね。
「ミュージカルがきっかけでデビューしたといっても学生の文化祭ですから、いつかキチンとミュージカルをやってみたいと思っていたんですね。だから、すごく楽しかった。オペラの発声法も分からなかったので、動画サイトでいろんなオペラ歌手の方の発声法を勉強しましたし、本当にいろんな経験をさせてもらいました」

──普段の活動へのフィードバックもあるんじゃないですか?
「そうですね。普段の自分の歌も歌いやすくなりました。自分で作っておいてナンなんですけど、私の歌って歌いにくいものが多くて(笑)。でも、ミュージカルって寝転がりながら歌うシーンなんかもあるんですね。どんな体勢でも歌えるようになると、普段のコンサートやレコーディングがすごく楽に感じるようになったんです」

MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 10

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中