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消費税アップに対応した「非接触式IC乗車券」、東京五輪ではどうなる?
今回の消費税率アップにあたってJR東日本は、切符の値段は10円単位とする一方で、電子マネーでの料金は1円単位に「変える」という決断をしました。切符の自販機では1円単位の支払いに対応できない一方で、「Suica」などの電子マネーでは対応可能という条件下、できるだけ「便乗値上げ」を避けるための措置であり、基本的には好評のようです。
一部に、JR東日本管内で乗車したために、「残高が1円単位になっている」乗客の場合は、その電子マネーのカードをJR西日本管内で使用したところ、エラーが出てしまったという事件もありました。こちらは、比較的早期に原因が究明されて、修復もされているようです。
とりあえず消費税率アップに関しては、大きな混乱もなく移行ができたようですが、やはり日本の、特に首都圏の鉄道網に関しては、料金体系が複雑過ぎると思います。東京五輪が6年4カ月後に迫る中、外国から多数訪れる観戦客への対応はよく考えておく必要があると思います。
この点に関しては、昨年10月に招致が決まった際にこの欄で「統一料金切符」を発行してはどうかという提案をしましたが、外国人観光客にはやはり効果的だと思います。というのは、最近、京都に行く機会があったのですが、京都の場合は京都市バスが中心になって「1日500円のバス乗り放題パス」が好評でした。最近では京阪系列の京都バスも乗れるようになっており、嵯峨・嵐山地区まで適用範囲が拡大される中で外国人観光客の「足」として定着しています。
首都圏の鉄道の話に戻りますが、東京五輪の頃までには、こうした「非接触式」の切符というのが更に一般的になる一方で、人の流れということではもっとスピーディになっていることが考えられます。ですから、2020年という時点での外国人観光客の輸送体制を考えると、鉄道やバスの料金収受は基本的に「非接触式」というのを前提に考えるべきだと思います。
この「非接触式」に関して言えば、これから2020年までの間に「非接触式」の技術が更に数世代先まで進化するということを考えておかねばなりません。この問題では、とりあえず、FeliCa からNFC(近距離無線通信)という動きがある一方で、アップル社はNFCには否定的で、iBeaconという Bluetooth を応用したプロトコル、あるいは様々な近距離無線通信プロトコルを統合したものを模索しています。そう考えると、今から6年という時間を考えると、想像を越えた進化をしていることが予想されます。
ここは何としても、この東京五輪をオールジャパンとしての「新しい近距離無線通信プロトコル」の発表、普及の場にして行きたいものです。海外から来るお客さんには、端末を無料で貸し出すぐらいやってもいいし、(そもそも端末という概念がどうなっているか分かりませんが)とにかく、日本のエレクトロニクス産業の存在感を見せるのです。日本のレベルの先進国・成熟国家で五輪をやる以上は、そのぐらいの心意気で臨みたいものです。
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