Picture Power

世界報道写真コンテスト 「ガザの葬列」が大賞に

2013 World Press Photo Contest

Photographs by Courtesy of World Press Photo

現代社会の問題/ストーリー部門1位:雨の中休憩するゴミ拾いの女性。近くの100万人が暮らすスラムから出るゴミの中で働いている。仕事中に見つける本を見るための時間がもっと欲しいと思っている。工業部品のカタログでさえ好きで「ゴミ拾い以外のことをさせてくれる」と言う (ナイロビ、ケニア 2012年4月3日)Micah Albert, USA, Redux Images

 2月15日、世界報道写真(World Press Photo)財団(本部・オランダ)が選ぶ第56回世界報道写真賞の各賞が発表になった。

 大賞は、昨年11月イスラエル軍のミサイル攻撃により亡くなった子供たちとその父親の埋葬式に向かう人々の姿を捉えたスウェーデンのポール・ハンセンが受賞した。審査員の一人マユ・モアナ(写真家/キュレーター)は「大人たちの怒りや悲しみと、殺された子供たちの純真さの対比が、この写真の力強さを生んでいる。私にとって忘れ得ぬ1枚となった」と語った。

 また、審査員長を務めたサンチアゴ・ライオン(AP通信副社長/フォトディレクター)は「世界報道写真コンテストの審査員長として結果を統括すると、大賞作品だけでなく授賞作すべてが確かな完成度を持っており、一流のフォトジャーナリズムとして力強く普遍的な価値と、見る者の心を揺さぶる素晴らしさを備えていた」と言う。

 毎年行われる世界最大級の報道写真コンテストで、124カ国の写真家5.666人から103.481点の作品が寄せられた。8作品が受賞したAP通信の健闘が目立った。

関連リンク:
 世界報道写真(World Press Photo)財団

 関連記事:
世界報道写真コンテスト 大賞は「アラブの春」から
世界報道写真コンテスト 大賞は「鼻と耳を削がれた女性」
世界報道写真大賞を狙え---コンテスト直前ゼミ
世界報道写真コンテスト 「抗議の叫び」が大賞に
世界報道写真コンテスト:審査の裏側

MAGAZINE
特集:イラン・イスラエル戦争?
特集:イラン・イスラエル戦争?
2024年8月27日号(8/20発売)

「客人」ハマス指導者を首都で暗殺されたイランのイスラエル報復が中東大戦に拡大する日。

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すればいいのか?【最新研究】
  • 2
    NewJeansの日本進出で再認識した「生みの親」ミン・ヒジンの目利きの力
  • 3
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 4
    コロナ後遺症ここまで分かった...「感染時は軽度」が…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    「人骨」を原料とした激ヤバ麻薬が蔓延、年間数百人…
  • 7
    フードデリバリー配達員の悲哀...映画『逆行生活』の…
  • 8
    日本外交にはもう1人の岸田文雄が必要だ
  • 9
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 10
    新発見の白亜紀ワニ、化石が解き明かす古代の海洋生態
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すればいいのか?【最新研究】
  • 4
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 5
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 6
    【画像】【動画】シドニー・スウィーニー、夏の過激…
  • 7
    ウクライナに国境を侵されたロシア、「とてつもなく…
  • 8
    シングルマザー世帯にとって夏休みは過酷な期間
  • 9
    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…
  • 10
    NewJeansの日本進出で再認識した「生みの親」ミン・ヒジ…
  • 1
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 2
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 3
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 6
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 7
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 8
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 9
    バフェットは暴落前に大量の株を売り、市場を恐怖に…
  • 10
    古代ギリシャ神話の「半人半獣」が水道工事中に発見…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中