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たばこ天国に迫る禁煙の足音

Tabacco-Free China

Photographs by Rocco Rorandelli

たばこ天国に迫る禁煙の足音

Tabacco-Free China

Photographs by Rocco Rorandelli

雲南省玉溪市の紅塔煙草工場は中国有数のたばこ生産量を誇る

 世界最大の喫煙者人口を誇る中国では、男性の約60%が喫煙し、全国で3億人以上がたばこを吸う。世界のたばこ消費量の37%以上を中国が占めている。「たばこ天国」の名に恥じない数字だ。

 そんな中国が変わりつつある。北京五輪で公共の場所が全面禁煙になり、今月始まった上海万博では上海市も公共施設を全面禁煙にした。さらに05年に批准した国連の「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に従って、2011年までにたばこ広告や販売促進活動を禁止する見通しだ。

 一方でたばこ産業の規模が大きい故の懸念もある。たばこ産業を管理する国家煙草専売局からの税収などは中国の国家歳入の12%に上ると試算されており、国にとっても重要な産業になっている。脱たばこの動きが活発になれば、雲南省などたばこの生産が盛んな地域には失業者があふれ、国家財政にも混乱が生じる恐れがある。

 たばこが体に及ぼす悪影響がさまざまなデータで示されているのも事実。今世紀中にはたばこが要因となる死亡者数は10億人以上に達するとみられている。特に、たばこ規制のない途上国などに死亡者が集中するという。

 世界最大のたばこ天国も時代の波には逆らえないようだ。

Photographs by Rocco Rorandelli-TerraProject

2010年4月28日号掲載

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特集:引きこもるアメリカ
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