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ドローン大国イスラエルの非情な開発現場
Photographs by VITTORIA MENTASTI & DANIEL TEPPER
ドローン大国イスラエルの非情な開発現場
Photographs by VITTORIA MENTASTI & DANIEL TEPPER
今や、世界中の空をわが物顔で飛び回るドローン(無人機)。80以上の国が何らかの形でドローンを運用し、この技術は今後10年間で現在の2倍に当たる900億ドル規模の産業に成長するとみられている。
9・11テロ後にこの産業を牽引してきたアメリカを抜き、世界最大のドローン輸出国となっているのがイスラエルだ。情報収集の任務や戦場での兵器として使用されるドローン技術のパイオニアでもある。
1985年以降、世界で売買されたドローンの60%はイスラエル製。05~12年で同国のドローンメーカーは46億ドルを輸出で稼ぎ出したという。
イスラエルのこうした現状については、パレスチナ住民の命を犠牲にして利益を得ていると非難されることも多い。飛行試験として、パレスチナ自治区ガザで製品の実戦能力を試してきたからだ。14年夏の大規模な衝突では、イスラエル国防軍はガザの上空や地下トンネル内で、開発中のドローンを作戦に使用した。
こうした「実戦」で製品の性能と信頼性が証明され、それが国外のクライアント向けの売りとなっている。
Photographs by Vittoria Mentasti and Daniel Tepper
撮影:ヴィットリア・メンタスティ&ダニエル・テッパー
メンタスティはイタリア生まれ。ミラノの大学でニューメディアを、ニューヨークでフォトジャーナリズムとドキュメンタリー写真を学ぶ。テッパーはアメリカ生まれ。イスラエルやパレスチナとその周辺諸国を中心に共同で取材・撮影をしている
<本誌2016年1月26日号掲載>
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