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緩やかにつながる欧州の極右
Photographs by Karl Mancini
緩やかにつながる欧州の極右
Photographs by Karl Mancini
欧州では最近、極右勢力の台頭が目立つ。昨年10月にはポーランドで保守強硬派の新政権が誕生。12月に行われたフランスの地方議会選挙の第1回投票では、移民排斥を掲げる極右政党の国民戦線が大躍進した(決選投票では全敗)。難民受け入れに寛容だったドイツでも、近頃は国民の反難民感情をあおる右派政党が支持率を伸ばしている。
一方、イタリアの極右勢力は特定の政党に集結するものではないと、フォトジャーナリストのカール・マンチーニは指摘する。政治思想や歴史観、宗教によってさまざまな組織に分かれ、彼らが集う「地下世界」も、ナイトクラブに図書館、サッカースタジアムなど多岐にわたる。
マンチーニはそうした複雑で多様な顔を持つ、イタリアの極右勢力に迫った。そこから国境を超えてネットワークを広げる欧州の極右の姿も見えてきた。
彼らにとっての聖なる言葉は、「仲間意識」と「所有権」だ。極右組織ゼニトがローマで開いた結成10周年集会では、こんな演説が聞かれた。「私たちは降伏のにおいがする過去と決別し、未来を奪うために闘う。共闘を望まない者とは戦場で会うことになるだろう」
撮影:カール・マンチーニ
1978年、ローマ生まれ。2001年から80カ国以上を訪れ、児童労働、女性に対する暴力、地雷問題などをテーマに作品を発表するフォトジャーナリスト兼ライター。ローマ在住
Photographs by Karl Mancini-Echo
<本誌2016年1月19日号掲載>
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