米大統領選前の中東停戦期待潰える、イスラエルの攻撃が継続
イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマス、およびイラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラとの戦闘終結に向けた米主導の交渉が暗礁に乗り上げている。ガザで1日撮影(2024年 ロイター/Ahmed Mustafa)
Nidal al-Mughrabi Timour Azhari Laila Bassam
[カイロ/ベイルート 1日 ロイター] - イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマス、およびイラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラとの戦闘終結に向けた米主導の交渉が暗礁に乗り上げている。イスラエル軍は1日も、パレスチナ自治区ガザやレバノンの首都ベイルート南郊に複数の激しい空爆を行った。
米政府のホックスティーン特使らは、11月5日の米大統領選前に両戦線で停戦を確保すべく交渉に臨んでいた。しかし、それぞれの主張は並行線をたどっている。
パレスチナのイスラム組織ハマスが運営するアルアクサテレビは1日、ハマスは一時停戦には賛成していないと報道。提案はイスラエル軍の撤退などを含むべきとするハマスの条件を満たしていないとした。
これに先立ち、イスラエルのネタニヤフ首相は「いかなる圧力や制約があったとしても」治安を強化することが最優先事項だと述べた。イスラエル首相府によると、このメッセージは10月31日にホックスティーン特使や米大統領顧問のブレット・マガーク氏に伝えられたという。
ガザの医療関係者によると、イスラエル軍の攻撃を受け同地区では24時間に64人が死亡、数十人が負傷した。民間人が避難している学校の門などが攻撃を受けたという。
イスラエル軍はガザ中央部と北部ジャバリア地域で「武装テロリスト」ら殺害したと発表した。民間人を故意に攻撃したという点については一貫して否定している。
こうした敵対行為により、5日の米国大統領選挙前に停戦が達成されるという希望は消え去った。
レバノンのミカティ暫定首相は1日、イスラエルが交渉の進展を阻止していると非難した。「レバノンが受け取ったイスラエルの声明と外交シグナルは、提案された解決策を拒否し、殺害と破壊のアプローチを続けるイスラエルの頑固さを裏付けるものだ」と述べた。