英中銀総裁、国際協力呼びかけ 米政策による貿易摩擦の緩和へ

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は24日、トランプ米大統領の政策により混乱に直面している世界貿易の緊張解消に向け、世界各国が経済面で協力するよう改めて呼びかけた。2024年11月撮影(2025年 ロイター/BENJAMIN CREMEL/Pool via REUTERS)
David Milliken
[レスター(英イングランド) 24日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は24日、トランプ米大統領の政策により混乱に直面している世界貿易の緊張解消に向け、世界各国が経済面で協力するよう改めて呼びかけた。
ベイリー氏は英レスター大学での演説原稿で、国内のマクロ経済力と貿易政策の2つは互いに矛盾するものではなく「共存するもの」だと指摘。
これらを巡る問題を解決するには、多国間の枠組みにおいて関係当局が協力し、関与のルールを強化する必要があるとの見方を示した。
また、人工知能(AI)について、20世紀初頭の電気のように英国と世界経済にとって状況を一変させる「ゲームチェンジャー」になる可能性があるという認識を示した。
変革をもたらす技術は継続的に改善され、コストを引き下げ、イノベーションを容易にし、生産性を向上させると指摘。
「AIにはその可能性があると思われる。そのため、時間の経過とともに成長率と国民一人当たりの所得を押し上げる可能性がある」と述べた。
ベイリー氏は、世界の多くの地域で高齢化が進んでいるため、テクノロジーを活用する必要性がより一層高まっていると指摘した。
「経済成長に変化をもたらす可能性が最も高い汎用技術としてAIの成長を促進しなければならない」とし、AIを活用するための人間のスキルへの投資も必要だと述べた。