ニュース速報

ビジネス

神戸鋼、3役員がデータ改ざんを認識 外部調査委の報告は来年2月

2017年12月21日(木)20時18分

 12月21日、神戸製鋼所は、検査データの不正改ざん問題を受けて調査を進めていた外部調査委員会の調査完了時期が来年2月末頃にずれ込むと発表した。写真は神戸で10月撮影(2017年 ロイター/Thomas White)

[東京 21日 ロイター] - 神戸製鋼所<5406.T>は21日、検査データの不正改ざん問題について、外部調査委員会から、現職の執行役員3人が不正行為の一部を認識していたとの報告を受けたと発表した。同社は、21日付で3人の委嘱業務を外す人事を発令。処分については、外部調査委員会の最終報告を受けて行う。外部調査委員会は当初予定していた年内の調査完了を断念、さらに調査を続け、最終報告は来年2月末ごろとなる。

<経営責任や処分は外部調査委の報告受けて>

外部調査委から不正を認識していたと報告があったのは、常務執行役員2人と執行役員1人。常務執行役員2人は工場長だった時期に、執行役員は事業の担当者として不正を認識していた。

ただ、直接の関与や具体的な指示は行っていなかった、との報告を受けているという。3人ともに取締役会や上司への報告は行っていなかった。動機や背景については、今後、調査委が詳しく調べることになる。

他の役員が関与していた可能性について、梅原尚人副社長は会見で「今後の調査が進んでいくだろう」と述べるにとどめた。

3人は、執行役員のポジションには残ったまま、21日付で委嘱業務を外れ、アルミ・銅事業部門長付となった。役員の不正認識が判明したことを受けて、川崎博也会長兼社長を含めた経営責任や処分について、梅原副社長は「外部調査委員会の報告を受けて判断するべき」との考えを改めて示した。

<外部調査委の報告は来年2月末ごろ>

神戸製鋼はグループ国内79拠点の自主点検の検証作業を進めてきたが、委員会はそのうち約7割の拠点について自主点検に不十分な点があると判断、さらに徹底した調査を求めた。

このため神戸製鋼は、補完的な点検作業に着手。この作業が完了するのは来年2月上旬ごろの予定で、委員会の検証期間などを含めると、調査完了時期は同2月末ごろとなる見通し。梅原副社長によると、7割の拠点のうちの半数は、年内に点検が完了するという。

外部調査委が調査を進める中で、データを改ざんした製品の出荷先が現状の525社から増えるかどうかについては「点検の結果によるが、現時点で新たに問題が起きているとの報告は受けていない」とした。

また、米司法省から関連書類の提出を求められた件について、梅原副社長は「弁護士を通じてすでにコンタクトをしている。書類の提出を一部求められている」と述べた。

*内容を追加しました。

(清水律子 浜田健太郎 志田義寧 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国ファンド業界にAI旋風、開発・導入加速 運用成

ワールド

アングル:トルコが欧州の重要なパートナーに浮上 ウ

ビジネス

香港CKハチソン、中国がパナマ運河権益売却を非難 

ビジネス

貿易戦争、米国に大きな打撃 欧州の結束促す利点も=
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 3
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 4
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 5
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 8
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 9
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 10
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中