貿易戦争、米国に大きな打撃 欧州の結束促す利点も=ECB総裁

3月14日、 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁(写真)は、国際的な貿易戦争が本格化した場合、特に米国が大きな打撃を受けると述べた。フランクフルトで6日撮影(2025年 ロイター/Jana Rodenbusch)
[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は14日、国際的な貿易戦争が本格化した場合、特に米国が大きな打撃を受けると述べた。その一方で、欧州の団結に向けた動きを再び活性化させる可能性があるとの見方を示した。
BBCの番組で、「貿易が大幅に落ち込むような本格的な貿易戦争に突入すれば、重大な結果を招くだろう。世界の経済成長と物価に深刻な影響を及ぼし、影響は特に米国で顕著になる」と述べた。
しかし、こうした緊張が欧州の結束を強めるというプラスの面もあると指摘した。
米国との貿易摩擦が欧州のエネルギーをかき立てているとし、「これは欧州にとって重大な警鐘であり、歴史的な転換点となる可能性がある」と述べた。
欧州連合(EU)欧州委員会とドイツはすでに国防とインフラへの支出増を発表したと指摘し、長年にわたる支出への消極的な姿勢に終止符が打たれたとの認識を示した。
この「集団的な目覚め」には、欧州の安全保障の取り組みに参加している英国も含まれているようだと述べた。