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大手銀によるロンドンから欧州への移転、合計9000人規模に

2017年05月08日(月)20時39分

 5月8日、公的な発言や関係筋からの情報によると、英ロンドンに拠点を置く世界の大手金融機関が、2年間で約9000人分の従業員を大陸欧州へ移管することを検討しているもようだ。写真はロンドンの金融街。7日撮影(2017年 ロイター/Hannah McKay)

[ロンドン 8日 ロイター] - 公的な発言や関係筋からの情報によると、英ロンドンに拠点を置く世界の大手金融機関が、2年間で約9000人分の従業員を大陸欧州へ移管することを検討しているもようだ。

前週には英スタンダード・チャータード(スタンチャート)と米JPモルガンが、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後の計画概要を公表。スタンチャートは、欧州拠点をフランクフルトに置く方向で規制当局と協議していることを明らかにした。

米ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)は5日のインタビューで、EU離脱による業界の混乱により、ロンドンの金融センターとしての発展は行き詰まる可能性があるとの見解を示した。

ゴールドマン、スイスのUBS、米シティグループを含む13の大手行が、ブレグジット後もEU単一市場へのアクセスを確保するため、大陸欧州での事業を拡充することを示唆した。

ロンドンの国際的金融機関の投資銀行部門責任者は「全速力で進めている。コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)を全速で策定している」と述べ、「待ったなしだ」と話した。

こうした動きがロンドンの金融関係者全体に占める比率は約2%に過ぎないが、金融サービスに勤務する高額納税者らがいなくなれば、英国の税収は大打撃を受ける可能性が高い。

有力シンクタンク、英財政研究所(IFS)は4日に報告書を公表。高額所得者が大陸欧州へ移動すれば、残りの納税者の負担が増えるとの見通しを明らかにした。

クレディ・スイスやバンク・オブ・アメリカなどの動向は分かっていない。

大陸欧州への移転計画で最大の利益を得るのはドイツのフランクフルトとアイルランドのダブリンと目されている。13行のうち6行が、フランクフルトへの移転や事務所新設に賛同。3行はダブリンでの事業拡大を検討しているという。

ドイツ銀行は4月26日、英国から最大4000人分の職務をフランクフルトなど大陸欧州へ移転すると発表。これはどの金融機関より多い数字だ。JPモルガンは前週、2年以内に数百人分の職責を欧州の3都市に移すと明らかにした。

コンサルタント会社のオリバー・ワイマンとアーンスト・アンド・ヤングの報告によると、ブレグジットにより4000―23万2000人の金融関連の雇用が失われる見通しだという。

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