ニュース速報

ビジネス

ギリシャが「9日に資金枯渇」と通告、債権団はつなぎ融資拒否

2015年04月03日(金)07時39分

 4月2日、ユーロ圏当局者はギリシャ債務協議をめぐり発言した。写真はチプラス首相。アテネで2日撮影(2015年 ロイター/Alkis Konstantinidis)

[2日 ロイター] - ギリシャが債権団に対し、来週9日に資金が枯渇すると伝え、改革案をめぐる合意前の融資実施を要請したものの、拒否されていたことが明らかになった。ユーロ圏の当局者が明らかにした。

ギリシャが要請したのは、1日にユーロ圏の財務次官らが開いた電話会議の場。ギリシャ財務省は、9日に資金が枯渇すると通告したとの報道を否定。

財務省声明は「4月1日のユーロ圏作業部会での協議内容を伝えるロイター報道を否定する」とした。

一方、ギリシャのブーチス内相は1日、9日に国際通貨基金(IMF)への4億5000万ユーロ分の融資返済を実行するか、あるいは給与・年金支払いを行うかの選択を迫られると発言。同相は後者を選択するとの見解を示した。

その後に政府報道官が「ギリシャがIMF融資の返済期限を守れないことはない」と否定していた。

ギリシャは、前政権が約束した改革を実行すればユーロ圏やIMFから72億ユーロの融資を受けることができる。ただ、そうなれば新政権は選挙時の公約に違反することになるため、これらの措置の大半の実施を拒んでいる。

ユーロ圏の当局者によると、ギリシャの代表は電話会議で「4月9日以降、国家の運営を維持していくことはできない」とし、改革案をめぐる合意がギリシャの「死体解剖」になってはならないと強調。合意に至るまで融資を実施しないのは非現実的だと言明した。

一方、ドイツなど各国の財務次官らは、総額2400億ユーロの支援のうち残りの融資実施には、改革案で合意し、ギリシャが改革を実施する必要があるとの主張を堅持した。

ユーロ圏の当局者らは、そのための法整備が必要だとしても、ギリシャが政府内や国営企業などから資金を工面することは可能との見方を示している。一方、ギリシャ側は、来週以降のIMFへの融資返済と給与・年金支払いの両方をまかなうにはこの方法では不十分と繰り返し主張している。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

PE2社、米業務ソフト企業買収へ協議 評価額80億

ワールド

世界の選挙、自由・公正さ示す指数が過去最大の低下=

ビジネス

中銀デジタル通貨、中国など先駆国で利用拡大=米シン

ワールド

トランプ氏暗殺未遂容疑者、かつての支持後悔も 重罪
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優雅でドラマチックな瞬間に注目
  • 2
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰だこれは」「撤去しろ」と批判殺到してしまう
  • 3
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない」との研究が話題に...その仕組みとは?
  • 4
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 5
    バルト三国で、急速に強まるロシアの「侵攻」への警…
  • 6
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 7
    原作の「改変」が見事に成功したドラマ『SHOGUN 将軍…
  • 8
    広報戦略ミス?...霞んでしまったメーガン妃とヘンリ…
  • 9
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座…
  • 10
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 4
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 5
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 6
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 9
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 10
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...い…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すればいいのか?【最新研究】
  • 4
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 5
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 6
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 9
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 10
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中