コラム

瞑想4カ月で7割の人が悟りの領域に!?(TransTech Conferenceから)

2019年02月07日(木)18時00分

自分に合った瞑想法がキモ

さて本題に入ろう。7割の人が4カ月でPNSEに入れるオンライン瞑想プログラムとは、どのようなものなんだろう。名称はFinders Courseで、各宗教などで使われている祈りや瞑想方法など伝統的な手法から25の方法を選び、宗教色を排除して現代風にアレンジ。それを、一日一時間、4カ月継続するというものらしい。最初の6週間は、自分に合った瞑想方法を試す期間。同じ瞑想法を1週間ほど続けてみて、普段の心のありようが変化するかどうかを観察することで、自分に合った方法かどうかを試していく。普段の生活でもいつもより心が穏やかで幸福感を感じるのであれば、その瞑想法が自分に合っている証拠。自分に合った方法が見つかれば、残りの期間でその瞑想方法を続けていくのだという。

Finders Courseはこれまでに11回開催。総受講者は454人という。心理学の代表的なテスト手法を使ってPNSEに入っている人と同等の数値が出るかどうかを調べたところ、オンライン瞑想プログラムを受講したことでPNSEに達した人は、319人になった。約7割が「悟り」のプロセスに入ったわけだ。

yukawa020701.jpg

幸福度は、代表的な心理学の感情検査「全体的な幸福度に関する調査票(AHI)」で計測したが、受講前の数値の平均が3.17だったのが、受講後には3.71に上昇。17%の変化を記録した。「統計的に意味がある数字かどうか。もちろん、非常に意味のあるレベルだ。心理学の研究者なら分かると思うが、4カ月のオンライン瞑想コースとしては、これは驚異的な変化だ。学会で紹介すると、多くの研究者が驚愕するほどだ」と話している。

020702yukawa.jpg

また「寂しさ」はポジティブ心理学のPERMAで計測。結果は47%も減少している。情緒不安定性は、31%も減少している。

プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story