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中国が仕掛ける「現代のアヘン戦争」...米国でフェンタニルが若者の死因1位の「異常事態」
アメリカは繰り返し中国に対応を求めているが…(2022年11月) Kevin Lamarque-Reuters
<合成オピオイド「フェンタニル」が多くのアメリカ人の命を奪っているが、その90%以上が中国から来ているとされる>
先日、米政治専門のザ・ヒル紙が、こんな記事を掲載して話題になっている。「アメリカ人18~45歳の死因のトップが、心臓疾患や癌、自動車事故、新型コロナなどではなく、フェンタニルだと知ったら驚く人もいるだろう」
■【動画】米国における薬物の過剰摂取による死者数と、そのなかでフェンタニルが占める割合は?
フェンタニルとは非常に強力な鎮痛剤で、モルヒネの50~100倍の効果があるという。フェンタニルとは合成オピオイドのことだが、オピオイドは、けしの実からから採取される有機化合物とそこから生成される化合物の総称だ。
これが以前からアメリカで蔓延しており、現在も社会問題となっている。加えて、記事では「アメリカで発見される違法なフェンタニルのうち90%以上が中国から来ている」とし、中国がアメリカに近代の「アヘン戦争」を仕掛けているとも指摘されている。
アメリカ政府は2018年に中国に対してこの事実を突きつけ、対応を迫った。するとフェンタニル関連薬物を規制薬物に指定したが、実際にはきちんと規制されていないと反発が上がっている。
以前は国際郵便などで直接、アメリカから購入して捌くような売人がのさばっていたが、米当局が輸入管理強化や中国人に対する制裁措置などの対策を講じるようになると、今度は中国からメキシコの麻薬カルテルなどを経由してアメリカに違法フェンタニルなどが届くようになった。結局、中国が違法薬物の輸出規制への協力を強化しないため、いつまでもアメリカに違法薬物が流れ続けている。
街では、「China Girl」「China White」「Murder 8」「Jackpot」といった名称で密売されている。
中国外務省は2019年に、世界全体の5%を占めるアメリカ人が、世界のオピオイドの80%を消費しているとし、アメリカ政府が「国内の麻薬への需要をもっとコントロールせよ」と批判している。
「中国も19世紀にアヘン戦争の犠牲者になった」
さらに2022年には在米中国大使が米ニューズウィーク誌のインタビューに応じ、「中国も19世紀にイギリスのアヘン戦争の犠牲者になった」と述べた上で、「中国から(フェンタニルやその関連麻薬を製造する)物質がメキシコに密輸されてフェンタニルの製造に使われているというメキシコからの報告やデータは受け取っていない」と否定している。
一方でメキシコの大統領は3月17日に、アメリカ人がフェンタニル中毒になる理由は、「家族がもっとハグし合わないからだ」と語ってニュースになっている。
ただそうしている間にも中毒死のニュースは次々と報じられている。中国による近代の「アヘン戦争」については、「スパイチャンネル~山田敏弘」でさらに詳しく解説しているので、ぜひご覧いただきたい。
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