最新ポートランド• オレゴン通信──現地が語るSDGsと多様性
2022年に向けて!なければ作る改善する。それがポートランド・スタイル
| 2022年からの「働き方」の鍵は?ずばり・・・
コロナで振り回された、この2年間。今では『新しいワークスタイル』がだいぶ定着しています。
とはいえ、これからどのようになって行くのかが見えない不安は、みんな同じ。来る2022年とその先に向けて、働き方の鍵とは何なのでしょうか。どのようなポイントに、気を付ければよいのでしょうか。
「まず一度、今の自分は内向的タイプか外向的タイプか、それとのコンビネーション型なのかを考えてみてください。
外向的な人は、オフィスに戻りたいと思うのが自然です。外部からのエネルギーによって、働く意欲が上がりやすくなります。なによりも、人と話すのが好き、仲間との交流を非常に大切にしています。
内向的な人は、家で仕事をする方が安心できますし生産性も上がります。苦痛な通勤もありませんし、オフィスでのゴシップや政治に巻き込まれることなく、自分のペースで仕事に集中できます。
そこを確認した後に、『今の自分は、どのような環境で働くことが心地よいのか』を覚えておいて欲しいのです。もちろん、心地よさと現実の就労の違いは確実にあります。でも、自分の真の気持ちを自分自身で知っておく。その事で、脳と心のギャップが少なくなって、精神的に切り替えがしやすくなります。
また雇用主は、従業員に働き続けてもらうために、『どのような状態が、その人にとって幸せなのか』。そこを考える新しい時代だ、ということを覚えて欲しいのです。
このように社会が不安定な時期には、従業員のメンタルヘルスに対して、今まで以上に気を配ることが大切になっています。従業員が必要に応じて、安心して発言をしたり、助けを得られる環境を作ること。そして方針を固め実行していくことが必要です。」
社会と文化の変化を職場に取り入れ続け、実践すること。そのことで、従業員がこの組織で働き続けたいという意欲に繋がります。離職率を低くおさえることは、日本、米国、そして世界万国共通の課題です。
「それに加えて、日本の人口減少問題があります。そこから見えてくるのは、女性の労働力の拡大や働き方の変革です。そのカギを握るのが多様性。マイノリティーや外国人労働の多様化も早急に取り組む必要が日本にはあるのではないでしょうか。
自分とは異なる外見、思考、文化等。そのような人がいることで、今の時代に必要な『視点のシフト』を持つことが可能になります。
やっと、という言葉があてはまるかどうかわかりませんが、この多様性と包摂性が、2022年からの働き方の要になってきます。そして、これこそが本来の私たちが望むSDGs の基本のコンセプトなのではないでしょうか。」笑顔のマリさんが、手を大きく広げ「大丈夫」。そう締めくくってくれました。
Photo | ©2021PDX Coordinator
今回のインタビューを通して、こう感じたのです。こんな時期だからこそ、家族や大切な友人のために立ち止まって時間を分かち合って欲しいと。
でも何よりも、あなた自身を思いやることが一番大切な時期です。肩の力を抜く。安堵する。大好きなコト、人に寄りそう。日々の暮らしに、そんな瞬間を少しでも増やしてほしいと願ってやみません。
筆者山本自身、この一年を振り返ってみると、何かで常に忙しく。時折、時速150キロで走っているように感じること。心がざわついたり不安になることも多くありました。
こんな私を支えてくださったのは、読者の皆さまです。温かく支えられたお陰で、連載を続けることができました。そんな世界中のあなたに心を込めて...ありがとうございます。
同時に、コロナ禍だからこそ知り合えた新しい出会いと気付き。大切な友人となった人との心のかよった通信は、新しい世界や分野への『いざない』となっています。だからそんなあなたに、ありがとう。
たくさんの優しさを糧に、新年1月からも精進してまいります。引き続き『日々のSDGsと多様性』、ご愛読の程をお願い申し上げます。
皆様にとって、来る2022年がこころ穏やかな年になりますようにと、このポートランドの地よりお祈りいたします。
新年度は、特別企画『2022年ポートランドのイノベーションとこれからの成長』をコンセプトに、どこにも出ていない情報をお届けいたします。 2022年1月14日掲載です!
著者プロフィール
- 山本彌生
企画プロジェクト&視察コーディネーション会社PDX COORDINATOR代表。東京都出身。米国留学後、外資系証券会社等を経てNYと東京にNPOを設立。2002年に当社起業。メディア・ビジネス・行政・学術・通訳の5分野を循環させる「独自のビジネスモデル」を構築。ビジネスを超えた "持続可能な" 関係作りに重きを置いている。日系メディア上のポートランド撮影は当社制作が多く、また業務提携先は多岐にわたる。
Facebook:Yayoi O. Yamamoto
Instagram:PDX_Coordinator
協働著作『プレイス・ブランディング』(有斐閣)