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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

コロナ禍ドイツの幸福度ランキング 北へ行けば行くほど高まる幸せの理由とは

人口の多い大都市といえば3密(密閉、密集、密接)が避けられないが、1位の2州は、地理的に開放感を得ることができる、生活の質が良い、充実した余暇時間を過ごせるなど高い生活レベルが市民に幸福感をもたらすようだ。

アンケート回答者の8割は「コロナパンデミック中はドイツで生活できることをうれしい」という。5割が「パンデミック危機により国民の連帯感が強まった」、8割以上が緊急時における家族の大切さを再認識した」、7割が「コロナ禍は、今後の地球温暖化の持続可能な解決策へ転換する良いチャンス」と、認識している。

P1050811.JPGハンブルク・エルベ川北岸のハーフェンシテイにて。奥にみえる波型の屋根が特徴の建物は、コンサートホール「エルプハーモニー」(筆者撮影)

各自の幸福感は年齢や性別、生活状況により様々だが、幸せの基準は4Gだという。つまり健康(Gesundheit)、お金(Geld)、連帯感(Gemeinschaft)、生まれ持った素質や個人的なメンタリティー、リスクや不安対応能力(genetische Disposition)が幸福感を得る因果関係で大きなファクターとなっている。

「この4Gが満たされれば、人は幸福感が高まる。10年前から行われたこの幸福度指数は常に7.0ポイント以上だった。今年はコロナ禍により幸福感指数が全州低下した。だが、2021年は再び幸福感が増すだろう」と、前出のラッフェルヒュッシェン教授は分析する。 

今、ドイツの新型コロナ感染状況は深刻だ。第二派新規感染の再拡大防止のため、11月2日から部分的ロックダウンが導入された。さらに冬の到来により、キャンピングやハイキングで気分転換という選択肢も少なくなっている。そして12月7日、メルケル首相と全州首相の会談で、「部分的ロックダウンは2021年1月10日まで延長」が決定した。それでもドイツ国民は、「いつか終息するだろう」と、将来への見通しには楽天的だ。

参考までに。状況が異なるため今年のランキングとは比較できないが、過去最高得点を記録した2019年は、1位シュレースヴィッヒ・ホルシュタイン州、2位ヘッセン州、3位ハンブルク州だった。

2020年幸福度ランキングは以下の通り。

1.シュレースヴィッヒ・ホルシュタイン州、ハンブルク州
3.バーデン・ヴュルテンベルク州
4.ノルトライン・ウェストファレン州
5.バイエルン州
6.ザクセン・アンハルト州
7.ニーダーザクセン州、ブレーメン州、ブランデンブルク州、ベルリン州
11.ザクセン州
12. メックレンブルク・フォポメルン州
13.. ヘッセン州
14.ラインランド・プファルツ州、ザールランド州
16.テューリンゲン州

 

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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