World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

毎日の生活の中で起こる停電から伺えるミャンマーの今

ヤンゴンのとある団地:筆者撮影

皆さんこんにちは。
ミャンマーはもともと日本に比べ停電が多い国ではありますが、今日も停電がありました。
昨日は一日に2回も合計6時間くらいは停電していました。
さて、停電すると様々な生活インフラはどうなるのか?
今日はそんな話をしていこうかなと思います。

その前にお知らせです。

私が現在大々大激推し中のクラウドファウンディング
「ヤンゴンかるたプロジェクト」の支援金が249万千5百円を突破しました!!
支援者は250人になり毎日増え続けています。
既に166%の達成率ですのでプロジェクト自体は動き出しています。
現在はネクストゴールを設定してさらなる飛躍を目指して突き進んでいます。
プロジェクトリーダーはなんと16歳の女子高生!
若い人たちの挑戦と活躍を一緒に見届けてください!

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もう一つ、
私と日本ミャンマーミMIRAI創造会(JMFCA)石川さんとで毎週火曜日21時よりclubhouseで配信している「ミャンマー言いたい砲台ラヂオ」が本日めでたく10回目を迎えました。
二人で地味に始めた配信ではありますが、毎週ミャンマーの情報アップデートやその時気になったミャンマートピックについてそしてたまにミャンマー縁のゲストなどをお迎えしながらお届けする1時間番組です。
アーカイブがありますので是非聴いてみてください。

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今回はYouTubeと二元放送を行っています。
clubhouseでは聴けない方もこちらで聴く事ができますので是非ご参加ください。
コメントなどもお待ちしています。


それでは本題です。
私がミャンマーに住み始めたのは2014年の7月19日。
忘れもしない建国の父と呼ばれたアウンサン将軍の命日です。
この日は国民の祝日になっている程特別な日です。
特に狙った訳でなく(そもそもその日の存在を知らなかった)この日から生活をしている訳ですが、当時は今以上に停電が多かったです。

皆さん、ちょっと想像してみてください。
例えばオフィスで普通に仕事してて、いきなり電気が「ドンっ」と落ちて停電したらどうします?
「おお!?」
ってなるのが普通ですよね?
声は出ないまでもかなり動揺しますよね。
僕も、ミャンマーに来るまでのこれまでの人生で停電など数える程しか経験したことがなかったので最初はそうでした。

ミャンマーでは停電が起こったところで、みんな大きな反応はしません。
凪です。
義勇さんもビックリするくらいの凪です。
確かにしょっちゅう停電が起こっていたら一々驚くという事もないのでしょう。
それくらい私のいる最大都市ミャンマーでも停電はよく起こります。

停電するとどうなるか?
当たり前ですが、電気が切れます。
昼間なら良いのですが、真っ暗で大変ですよね。
という事で大抵こんな物をいたるところで用意しています。

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充電式の電灯です。
日本だと防災グッズとしてありそうですね。
こちらでは大抵のスーパーにこういう充電式電灯コーナーがあります。
それくらい需要が高い品物です。

あれ?
そうするとデスクトップパソコンを使っている人はどうなるの?
と思った方がいると思います。
そうなんです。
ノートパソコンであれば電気の供給が無くなってもバッテリーがあるので電源がすぐ落ちるというような事はないのですが、デスクトップパソコンの場合は停電と共に電源が落ちてしまいます。

こまめに保存するのは当然としても、下手をするとその日、それまでやっていた作業がオジャンという事にもなり兼ねません。
という事でこういったものを使っています。

2.jpg

おわかりいただけるだろうか?
こちら、現地ではUPSと呼んでいます。
簡単に言うと大きな充電器です。
普段からデスクトップパソコンなど急に電源が落ちると困るというものはこれに繋いでおきます。
コンセントからこのUPSを通してパソコンに電源を供給する形です。
停電してもUPSの充電が切れるまで途切れることなく作業が出来るという事です。

とは言え、よほどの高性能なUPSでない限り、何時間もパソコン作業を続けられるようなものはありません。
沢山のデスクトップパソコンに高価なUPSを揃えるのも大変なので、私がいたオフィスではせいぜい10分程しかもたないものばかりでした。

なので、停電をしたら基本はすぐに今やっている作業を保存してパソコンの電源を切るというような光景が日々行われていました。
停電が起こりやすいのはとても暑い日や、雨が強く降るなど天候が悪い時。
なんの連絡もなく近所で電線工事が行われるなど様々な要因がありますが、ミャンマーは停電と共に生活するのが当たり前のようになっていました。

中にはジェネレーターと呼ばれる発電機で停電した後、しばらく経つとこの発電機に切り替わるところもあります。
ですが、発電機も高価なものなのでどこにでもあるという事はないですし、発電するには多くのガソリンも使わないといけません。

一台ではビルの電力全部はまかなえないので何台も置いてあるところもあります。
どちらにしろ発電機になった場合は電力を控える使い方をしないと電力が足りなくなってまた停電したりします。
この停電はミャンマー生活の上で本当に困った出来事です。

そんな停電なんですが、近年ここヤンゴンでは随分数が減ってきていたと思います。
コロナの後、そしてクーデターが起こった直後などはかなり停電が増えてしまうのではないかと危惧したのですが、思った程停電は増えませんでした。
(それでも日本と比べるとめちゃくちゃ多いですが)

それが今年に入ってからそれこそ1月1日から一日に10時間以上の停電が起こりました。
2日も同じくらいの時間停電していました。
それから今日まで一日10時間というような事はなくなりましたが、毎日必ず停電しています。

世界を観ると脱炭素の影響などにより化石燃料が高騰しているなどがあり、ミャンマーもそのあおりを受けていて燃料高騰によるエネルギー不足ということに繋がっているところはありますが、問題はそれだけではありません。

昨年のクーデター以降軍があらゆる事を統治しようとはしているのですが、結局何一つうまくいっていない施策だらけの中で国の基幹ともいえる電力にまで遂に影響が出てきていると私は考えています。

細かい原因は上げだすとキリがないので興味のある方は是非調べていただければと思いますが、結局は政治の問題、そもそもまともに政治が行われていないというのが根本的な原因です。
むしろこれまでよくもたせていたというようなところなのかもしれません。

と、ここまで書いていたところでまた停電しました。
軍批判をしたので電気を落とされたのかもしれません(笑)
現在は夜も大分深くなってきたところなので部屋が真っ暗になり、先ほど説明した非常用電気を付けて引き続き書いています。

私のところにはジェネレーターはなくいくつかUPSがある程度です。
インターネットはどうなるのか?
家にあるWi-Fi機器に電気を供給出来ればすぐにネットが切れるという事はありませんが、あまり長時間停電が続くと基地局の電気も無くなるのかネットが繋がらなくなる事もあります。

モバイルWi-Fiを使ったり最終手段としてはスマホのデータ通信(デザリング)を使ってインターネットを繋いだりします。
という事で今日の記事もなんとか予定通り皆さんにお届けできると思います。

さて、いかがだったでしょうか?
このようにミャンマーでは今の日本では考えられないような日常があります。
もともとミャンマーにあった脆弱なインフラの問題がありました。
2015年以降かりそめではありましたが、民主化により大きく発展していた様々なことも昨年のクーデターによって今は悲惨な状況に陥ってしまっています。
電気の問題で済めばマシです。
今は様々な場面で命の危険がすぐ近くにまできてしまうような日々です。

本当に国の施政というのがいかに重要なことなのかを噛みしめています。
勿論、日本は日本で大変なのですが、今この国ではもっとも当たり前のことすら危うくなることが沢山起こっているのです。

それでもミャンマーの多くの人々は腐らず強く生きようとしているのが私には本当にまぶしく映ります。
必ずまた良い時がこの国に訪れるのを信じて私も私に出来る事を続けていきたいと思っています。

今回は現在頻繁に起こる停電から今のミャンマーの現状についてのお話をしました。
何か思うことなどあれば皆さんのお知り合いにこの話をしていただけたらと思います。
それではまた。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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