World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

ミャンマーに残る日本人として今思うこと

筆者2月4日撮影

皆さんこんにちは。


日曜日の午後いかがお過ごしでしょうか?
ミャンマーから新町がお送りしております。
「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち
のシリーズが続いているところではありますが、今日は少しそちらはお休みさせていただいて、今のミャンマーについて思う事を書かせていただきます。
よろしければお付き合いください。

日本もコロナであったり、オリンピックであったりと色々と問題は多いと思います。
そのような状況でミャンマーのニュースが減っていってしまうのはどうしようも無い事で、その事にどうこう言っても仕方のないことだと思っています。
そんな中で、少しでもミャンマーに興味を持ってもらえるように、ミャンマーの良さを伝えていきたいと思い、毎日あたまを捻りながらこのブログを書かせていただいています。
私はエンターテインメントに携わる人間で、その事を中心に書いていくと決めています。

それは今のミャンマーを伝えるというところからは少し遠いところで、こんな事をしていて良いのだろうか?という疑問は常につきまとってきます。
今日も私のところにはヤンゴン中で起こっている爆発のニュースや地方での戦闘の様子などが届きます。
そんな中、私は黙々と楽しくエンタメで動けていた時の様子や、いつくるかわからない未来の話をしています。
辛い、という事はありませんが、物凄く空虚な気持ちになることはあります。

この先に間違いない未来があると信じてはいますが、それは決して私1人では掴めないもので、ミャンマーの多くの人たちが望んでいる未来は手に入らないのだとすればあまりに悲しい事だと思います。
日本なら当たり前に手に入り、当然のようにその権利を行使できる自由がこちらではどんどんと失われていっています。
奪う方も本気です。
ある意味命懸けで行っています。

いや、命懸けにならざるを得ない状況にまできてしまったというべきでしょうか。

2月1日以降、どうにかお互いの命のやりとりになるような事態を避けるべく多くの国民は決して暴力を使わず、しかし、その意思は力強く掲げる事をしてきました。
日本でもニュースになっていたと思います。
様々なユニークな方法で世界にその意思をアピールしていたデモ活動がありました。
それはまさにミャンマーのエンターテインメントを用いてこの国の豊かな多様性を表現した活動でした。
誰しもがその活動の先に真の民主化を夢見ていたのだと思います。
それがどんなに夢物語だと世界から嘲笑されても、大くの国民は命懸けで、命のやりとりを否定する主張をしてきました。

これは世界に誇れる偉業だと思います。
本当に、本当にミャンマーの人々は素晴らしいと世界中に伝えるべき偉業だと思っています。

残念ながら、今は少なからず、暴力を使う事も辞さず、自分たちの主張を通そうとする動きが出てきています。
その中には本来絶対に傷つけてはいけないハズの人たちが傷ついてしまうものもありました。
これは誰が何と言おうと私は許してはいけない行為だと断罪します。
そこに至るまでに、ただここにいるだけの外人である私には想像も出来ない程辛い現実があったのかもしれません。
それ以外の方法はきっと私には提示出来ない程のことだったのかもしれません。

ですが、
それでも許されてはいけないことだと思います。
そこに至るまでのミャンマーの人たちの想いを考えるととても悲しい事です。
世界が、今ミャンマーで起こっている問題に対しての明確な答えを出せていない事は間違いなく悲劇です。

私が今、このような甘い事を言っていられるのは、今この瞬間は無事で過ごせているからです。
明日かもしれない、それは一時間後かもしれない事件が私の身の回りで起こった時。
今と同じことを言い続けていられる程私はきっと強くはありません。

ですが、その瞬間までその理想は持ち続け、発信しつづけたいと願っています。
まだ諦めていない、ミャンマー人の仲間がいる限り、ここで私だけが、諦める訳にはいかない。
その人たちは、私にとって決して遠い人たちではありません。
名前も顔もわかっていて、つい最近まで同じ場所で一緒に過ごし、同じことで笑い合っていた仲間達です。

様々な理由で1人、また1人と日本人がミャンマーから離れていきます。
その人たちの想いも様々なことでしょう。
それぞれの人が最良の選択をし、この地を離れた後もミャンマーの為に動き続けてくれていると信じています。
いつ私の身の回りでも環境が激変するかわかりません。
何とかこの地に踏みとどまりたいとは思っていますが、それでも明日には離れなければいけない事件が起こるかもしれないのです。

それでも私はミャンマーを信じ、ミャンマーのエンターテイメントを信じて発信を続けたいと思っています。
暗い話になってしまいましたが、どうか引き続きミャンマーの事を気にしていただければ幸いです。
少しでも有用な、そして楽しいミャンマーの魅力をお伝えできればと思っています。
明日はまた映画の話の続きをお伝えしていきますので、引き続きよろしくお願いします。

こんな時ではありますが、それでも私にはミャンマーという国と、ここに住む人たちが輝いて見えています。
この想いが少しでも日本の皆さんに伝わる事を願っています。
それではまた明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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