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パリのカフェのテラスから〜 フランスって、ホントはこんなところです

RIKAママ|フランス

東京オリンピックの閉会式はパリオリンピックの開会式みたいだった

東京オリンピック閉会式当日のエッフェル塔前の光景    France2 映像より

東京オリンピック閉会式の当日、パリ・エッフェル塔近くのトロカデロ広場には、巨大スクリーンが設置され、ヘルスパス(ワクチン2回接種証明書、48時間以内のPCR検査陰性証明書、6ヶ月以内にコロナウィルスに感染した証明書)のチェックのもと、大勢の人が集まり、大変な盛り上がり様でした。会場には、早めに帰国していたオリンピックのメダリストたちも集結し、フランス国旗がひるがえり、熱狂する人々で溢れかえっていました。この光景だけ見ていたら、これが日本でやっている閉会式なのか?フランス独自のイベントなのか?わからなくなるような感じでした。

東京オリンピックの閉会式の様子が巨大スクリーンで生中継され、オリンピック旗が東京都知事からパリ市長に手渡され、オーケストラでのマルセイエーズ(フランス国歌)の演奏に乗せて、2024年のパリオリンピックのPVが流され始めた頃には、熱狂もピークに達しかけたところに、フランス空軍機がトリコロールの噴煙をはきながら、エッフェル塔を通り、パリ上空を旋回したのには、家で閉会式の様子をテレビで見ていた私も、「えっ??まさか、ライブ? これ今、本当に飛んでるの?」と思ってびっくりして慌てて家の窓から遠くに見えるエッフェル塔を眺めてみたら、本当にトリコロールの噴煙が見えて、ちょっと興奮しました。

閉会式フランスエッフェル塔飛行機雲.pngパリ上空をトリコロールの飛行機雲を流しながら旋回するフランス空軍機  France2 映像より

密だったオリンピック中継会場は、ヘルスパスのコントロールにより可能だった

このエッフェル塔前でフランス人が狂喜乱舞?している様子には、「めちゃめちゃ密!」「同じ世界なのか?」「過去の映像かと思った!」という声が、日本のツイッター上では上がっていたようですが、実際、最近のフランスのデモの様子などを見慣れてしまっている私には、これに全く驚かなくなっていることにも、正直、ちょっとハッとさせられましたが、この会場に入場するには、ヘルスパスのチェックが行われており、ワクチン接種済み、あるいはPCR検査陰性の人しか入場できていないわけで、フランスでは、5月の段階で、すでにヘルスパスによる制限下で観客5,000人収容した実験コンサートなども行われており、ヘルスパスの導入により、ある程度の安全性が確認済みであることも、これを可能にしているのです。フランスは、ワクチン接種は日本よりは拡大していますが、感染者数や重症患者数も未だ日本よりも多いのです。

おそらく日本では、密にならないようにと開会式も閉会式も全てを控えめにしているというのに、ましてや巨大スクリーンでこんなに多くの人がオリンピックに熱狂する光景は、ギョッとするに違いありませんが、本当は日本だって、ワクチン接種が進んで、PCR検査が気軽に受けられる状態であったならば、ある程度、入場者を制限することはあっても無観客なんてことにしなくても済んだかもしれないと思うとつくづく残念でなりません。

開催国の日本よりも大勢の人が集まって熱狂している様子には、日本人の私としては、なかなか複雑な気持ちでした。大金をかけて開催したオリンピックをテレビでしか応援できずに、ひたすら自粛を求められる日本国民は、どれだけ悔しいことかと思います。

日本のオリンピックの閉会式は、フランスでは、パリオリンピックの開会式みたいだった

フランスでも、いつものオリンピックの閉会式に、これだけ人々が集まって熱狂するということは、考えられませんが、東京オリンピックが閉会するということは、「次はパリの番だ!」という気持ちがフランス人にはあるわけで、東京オリンピックの閉会式の内容よりも、もう閉会式というよりもパリオリンピックの開会式のような気分で多くの人はこのイベントに参加していました。

閉会式が始まってすぐにフランスのツイッターのトレンド1位は#Paris2024が急上昇し、その日は1日、あたかも、もう明日にでもパリオリンピックが始まるかの如くのフィーバーぶりでした。そつのないマクロン大統領は、すぐに日本語で、「日本の皆様、オリンピックの成功、おめでとうございます。前代未聞の状況下でしたが、皆で素晴らしい時間を過ごすことができました。私たちはこれを必要としていました。今度は、2024年にパリでお会いしましょう!#Tokyo2020」とツイートしています。しかしすぐその翌日には、すぐにパリオリンピックについて、「私たちは、準備ができています!」とパリオリンピックのプロモーション映像をツイート。

開会式以前から、すでに明白ではありましたが、フランスが他の先進国とは一線を画して東京オリンピック開催に賛同していたのも、何よりも東京オリンピックを開催して、無事にパリにバトンタッチしてもらうことが重要なことだったわけで、いみじくも、日本国民に向けて、マクロン大統領がツイートした中にもあったように、「私たちはこれを必要としていました」というのは、3年後に控えたパリオリンピックへのバトンタッチであり、閉会式の段階から、パリオリンピックを盛り上げていきたかった・・というのが正直なところでしょう。

閉会式 トーマぺスケ.png宇宙からマルセイエーズの演奏に加わったフランス人宇宙飛行士 トーマ・ぺスケ   France2映像より

パリオリンピックのPVは、多角的なパリの美しい場所がスポーツや音楽と掛け合わされ、とても洗練されていて、マクロン大統領もエッフェル塔からメッセージを送り、現在、宇宙飛行中のフランス人トーマぺスケまで宇宙から参加するという壮大なもので、極めつけに登場したフランス空軍の描くトリコロールカラーの飛行機雲がパリの上空を飛ぶという、非常にインパクトの強い印象的なものでした。

このパンデミックという非常に特殊な状況下のオリンピックで、開催国ではなかったからできた閉会式の、このパリでの東京オリンピック閉会式イベントではありますが、楽しむことに貪欲なフランス人が3年後のオリンピックの前夜祭のように、おそらく東京よりも皆が楽しんでいたに違いありません。

オリンピック選手凱旋帰国.pngオリンピック旗とともに凱旋帰国したフランスのアスリートたち  France2映像より

長引いているパンデミックが3年後に終息しているかどうかは分かりませんが、少なくともコロナウィルスがまだ存在していたとしても、オリンピックを開催し、皆が楽しめるような方策をこれからフランスは、模索し続けるのではないかと思っています。せっかくの私の祖国でのオリンピックには、行くことができませんでしたが、3年後のパリオリンピックには、何かの形で関わってみたいなと思っています。

 

Profile

著者プロフィール
RIKAママ

フランスって、どうしようもない・・と、日々感じながら、どこかに魅力も感じつつ生活している日本人女性。日本で約10年、フランスで17年勤務の後、現在フリー。フランス人とのハーフの娘(1人)を持つママ。東京都出身。

ブログ:「海外で暮らしてみれば・・」

Twitter:@OoieR



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