England Swings!
総選挙2021 海外から日本の選挙に投票するには?
先週、ロンドンの日本大使館で在外投票をしてきた。日本では10月31日に行われる投衆議院議員総選挙への投票だ。海外からの投票は国内とは事情が違っているので、今回は在外投票の様子をご紹介する。
まず、海外に住んでいても選挙権があるのか? というところから始めたい。というのも、夫が英国人ですと言うと、「じゃあ、あなたもイギリス人になったの?」と聞かれることがあって、わかりにくいのかもしれないと感じるからだ。外国人と結婚してもそれだけで国籍は変わらないので、わたしは今も日本人だ。だから日本の選挙で投票することができるし、反対に、今住んでいる英国の選挙には参加できない。
ちなみに英国の場合、何年か国内に住んで生活の基盤が認められれば英国籍を取得することはできる。ただし、日本では大人の二重国籍は認められていないので、英国籍を取ったら日本国籍は放棄することになる。日本人をやめてまで英国人になるメリットが今のところ感じられないので、わたしは日本国籍のままにしている。
さて、海外で暮らす日本人が選挙に参加するには、まず「在外選挙人名簿」に登録する必要がある。これをしないといつまでも投票できないので、この手続きは外国に住みながら選挙に参加する意志を示すようなものだ。そしてこの手続きには少し手間がかかる。まず申請には在外公館に直接出向かなければならない。その後、書類が最終住所地(あるいは本籍地)の市町村に送られ、確認されて戻ってくるので、登録が終わるのに2、3か月かかってしまう。だから選挙とわかって急に登録しても、なかなか投票までに間に合わない。かなり前もって準備を始めることが必要だ(今は制度が改善されて、市町村への転出届と一緒に申請できるそうなので、これから日本を出国される方はついでにぜひ!)。
手続きが終わると「在外選挙人証」というものが手に入り、これでやっと投票できることになる。ちなみに比例選挙区では、この証明書を発行した市町村で投票することになる。
投票には3つの方法があり、そのひとつめは日本国内での投票だ。これはもちろん、日本に帰国している時でないとできない。
著者プロフィール
- ラッシャー貴子
ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。
ブログ:ロンドン 2人暮らし
Twitter:@lonlonsmile