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ヨーロッパのデジタルノマドワーカーが実践する「非同期ワーク」とは?
欧州のデジタル・ノマド拠点
今、欧州各地の都市で、リモートワーカーやノマドワーカーを積極的に受け入れ、スタートアップ経済を加速させようという取り組みが盛んである。欧州の魅力的なデジタル・ノマドの新拠点は、増え続けるフリーランサーやリモートワーカーのために、すでにその扉を開いている。
現在、世界中に1億5,000万人のリモートワーカーがいて、推定2,500万人のノマドワーカーが母国を離れ海外に住んでいる。すべてのリモートワーカーは、2035年までに10億人に達するという予測もある。
このような状況を考えると、2022年以降は、デジタル・ノマドが活躍する時代になると予測される。将来のデジタル・ノマドに最適な場所にはいくつかの要件がある。ビザ取得の簡易さや治安の良さ、安価な生活費、インターネットの速度、天候、コミュニティ、食事や街の文化、やるべきことに適した場所など、すべてのノマド候補者は下調べをして、自分に合った場所を決める必要がある。
デジタル・ノマドのための魅力的な欧州のホットスポットとして注目されている都市には、世界中の才能を呼び込むためのインセンティブが用意されている。中でもジョージア(旧グルジア)のトビリシ、エストニアのタリン、リトアニアのヴィリニュス、クロアチアのスプリット、セルビアのベオグラードなどは、EUのみならず、世界各地からのデジタル・ノマドに人気だ。これらの都市の大半は、旧ソビエト圏の都市であり、ベルリンともつながりがある。
次のフロンティアへ
今、非同期型の仕事を求める声は、数年前にリモートワークを求めた人々と同じ段階にある。ほとんどの人は、非同期の仕事が標準になるとは思っていない。しかし、ベルリンをはじめ、欧州の都市をみれば、スマートなリモートワーカーの多くが、非同期の生き方を選択していることも事実である。
非同期のワークスタイルや、さまざまな都市に住むノマドワーカーの生き方を、すべての人が納得するために、パンデミックは大きなきっかけをもたらしている。
非同期ワークをデフォルトにするための活動は、すでに始まっている。なぜなら、それは何百万人、何億人もの人々の生活の質を向上させる社会変革につながるからだ。現状、リモートワークの増加が多くの人に恩恵を与えているように、非同期のワークスタイルが次の働き方改革なのかもしれない。
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