最新記事
クリミア半島

白昼のビーチに「クラスター子弾の雨」が降る瞬間...クリミアで数百人の海水浴客が逃げ惑う緊迫映像

Crimea Video Shows Russian Tourists Flee Beach as ATACMS Bomblets Rain Down

2024年6月26日(水)15時15分
テオ・バーマン
セヴァストポリのビーチ

セヴァストポリのビーチ(2020年7月25日) Mukhorin Nikolay-Shutterstock

<この攻撃で少なくとも4人が死亡、100人以上が負傷したとロシア当局が発表。ロシアはこの攻撃を「アメリカの責任」として非難している>

観光客で賑わうクリミアのビーチをミサイルが襲う映像がソーシャルメディアに公開された。

【動画】ビーチに「クラスター爆弾の雨」が降り注ぐ衝撃シーン...逃げ惑う数百人の海水浴客

この映像は、6月23日に複数の爆発に見舞われたクリミアのセヴァストポリにあるビーチを捉えている。防犯カメラが記録した映像には、数百人の人々が海から急いで逃げる子が映っており、その直後にクラスター弾の襲撃が始まった。

映像には、MGM-140 ATACMSの一部とみられるM74子弾が海面に飛び散り、ロシアからの観光客が海岸に向かって逃げる様子が映っている。いくつかがビーチを直撃し、砂浜や近くの建物で爆発が発生した。

ロシア当局は、この事件でクリミアの民間人に「多数の犠牲者」が出たと発表し、4人が死亡、100人以上が負傷したと伝えている。

この事件は、ロシアの防空システムがクラスター弾頭を搭載したミサイルを迎撃し、そのうちの1発が軌道を変えたために起きた。ロシア国防省は、発射された5発のミサイルのうち4発を撃墜したと述べ、さらに「防空システムの衝撃を受けて最終段階でコースを変えたもう1発が、市街地の上空で弾頭が爆発した」と付け加えた。

「5発目のアメリカ製ミサイルの破片弾頭が空中で爆発したことにより、セヴァストポリの民間人に多数の死傷者が出た」と付け加えた。

本誌はロシア国防省に電子メールでコメントを求めた。

ロシアはこの攻撃をアメリカの責任だと非難している。クレムリンの報道官は、「この攻撃に使用されたATACMSミサイルはアメリカが供給し、(アメリカの技術者が)プログラムしたものであり、ロシアの民間人が殺害されたことに対してアメリカの関与がある」と述べ、「アメリカの直接的な関与によりロシアの民間人が殺害されるという事態は無視できるものではない」と警告した。

米国務省の報道官はこの主張を否定し、「ばかげていて誇張されている」と述べた。

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中