習近平、異例の「琉球」発言...日中関係の新たな問題となるか?
だが、中国は2010年代に『人民日報』が沖縄の帰属に疑義を呈するような学者の文章を掲載するなど、しばしば沖縄の地位をめぐる問題を提起してきた。中国では、かつて冊封・朝貢関係にあった地域を中国領だという立場は正式には取らないが、沖縄が日本の一部であるということに疑義を呈しているのである。
だが、『人民日報』などの媒体での学者の議論と、習の発言とでは重みが全く異なる。今回の習の発言によって、今後、中国で「琉球」がより一層多く議論され、それが尖閣諸島問題や琉球帰属問題に波及していくとするならば、それは日中関係の新たな問題となろう。
しかし、他方で2010年代に沖縄県が実施した県民の中国に対する意識調査などを見ても、沖縄県民の対中認識は極めて悪い。また沖縄の人々の台湾への認識は中国に対するよりもはるかに良好だ。
中国で沖縄への関心が高まっても、沖縄の中国への関心が高まるかどうかは依然として未知数である。
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