教育は「1位→47位」、ジェンダー後退国・日本で出版された希望になるかもしれない本
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<ジェンダー・ギャップ指数が公表され、日本は過去最低の125位とニュースになった。分野別に見ていくと分かる日本の課題、そして今春に出版された文庫本が伝えてくれるものは>
衝撃か。納得か。あなたはこの数字をどう受け止めるだろうか。
スイスの非営利財団「世界経済フォーラム」が2023年6月に公表した「ジェンダー・ギャップ指数」のことである。男女平等を100%としたときの日本の男女格差は64.7%で、146カ国中125位だった。2022年の116位から後退し、過去最低を更新した。
1位は14年連続でアイスランド。ノルウェー、フィンランド、ニュージランド、スウェーデンと続く。主要7カ国(G7)の中で日本の指数は最も低いという言葉を何度も聞いたかもしれないが、東アジアと太平洋諸国の中でも日本は最も低い。
ジェンダー・ギャップ指数が公表されると、さまざまなメディアが「男女平等、日本は過去最低125位」(朝日新聞6月21日配信)などと報じた。
その5日後、栃木県で開かれたG7男女共同参画・女性活躍担当相会合で、各国が女性閣僚を送り出す中、ホスト国として議長を務めた小倉将信・男女共同参画相が真ん中で記念写真に収まる姿は日本の男女格差を象徴する一枚として記憶に残っている。
そう、日本のジェンダー問題はすべてがこうなのだ。そして、指数では示されない男女格差はいまだに根深く残っているというのが女性たちの実感ではないだろうか。
経済分野の男女格差解消に必要な「思い込み」の解消
まず、国会議員の男女比、閣僚の男女比などを扱う政治分野。2023年の女性の国会議員の割合は、衆議院は10人に1人にあたる10.3%、参議院は4人に1人にあたる26.7%だったので、138位(5.7%)には納得してしまう。
4月の統一地方選挙で女性議員がいなかった地方議会で女性が当選するなど格差解消に向けて前進しているが、女性不在の地方議会は200議会を超えるという報道もある。
同一労働における男女の賃金格差や管理職の男女比などをまとめた経済分野は123位(56.1%)と低調のままだった。働く女性は増えているが、その半数以上は非正規雇用で、職務上の意思決定ができる立場にいる人は少ない。
「M字カーブ」と呼ばれた結婚や妊娠・出産により女性の就業率が一度下がってその後また上がる問題は解消されつつあるが、女性の正規雇用比率が20代後半をピークに低下し、30代以降は非正規雇用が中心となる「L字カーブ」は鮮やかに描かれたままだ。
2023年版の「男女共同参画白書」では、女性の8割以上、男性の7~8割が女性に家事・育児が集中していることが職業で女性の活躍が進まない理由と考えていることが示されている。
専業主婦世帯数を共働き世帯数が上回って四半世紀。子どもの生後8週間以内に、最長4週間の育休を2回にわけて取れる「産後パパ育休」(出生時育児休業)がようやく2022年10月から始まった。