欧州、ウクライナ侵攻でロシアの責任追及へ 損害登録制度発表、子供の連れ去りなども対応検討
人権などの問題に取り組む国際機関、欧州評議会は5月16日、アイスランドで開いた首脳会議で、ロシアにウクライナ侵攻の責任を問う方針を表明し、ロシア軍が与えた損失と損害を記録する枠組みを発表した。写真はアイスランドの国旗。2019年9月、同国のシンクベトリル国立公園で撮影(2023年 ロイター/Chris Helgren)
人権などの問題に取り組む国際機関、欧州評議会は16日、アイスランドで開いた首脳会議で、ロシアにウクライナ侵攻の責任を問う方針を表明し、ロシア軍が与えた損失と損害を記録する枠組みを発表した。
評議会には46カ国が加盟し、首脳会議開催は第2次世界大戦後の設立以降4回目。ショルツ独首相やマクロン仏大統領、スナク英首相が出席し、17日まで開く。
ウクライナのゼレンスキー大統領もビデオ演説し、西側の支援によって新たに配備した防衛網でロシアの極超音速ミサイルを撃墜したと強調。結束すればウクライナにできないことはないと訴えた。
会議では、ロシアの侵攻で生じた損害、損失、傷害に関する証拠や主張を記録する「損害登録」の仕組みを発表。ロシア国内やウクライナのロシア占領地域に連れ去られた子どもを巡る問題などへの対応も検討した。
スナク氏は演説で「われわれはロシアが犯した恐ろしい戦争犯罪の責任を追及する」と表明。
ショルツ氏も、占領者であるロシアの戦争犯罪を罰し、ウクライナに日々与えている甚大な被害に対する責任を求める上で評議会が重要だと述べた。
仏大統領府は、ウクライナ国民への支援で欧州評議会開発銀行(CEB)の活用が検討されているとした。