南シナ海上空で中国戦闘機J-16が米偵察機の鼻先をかすめる「攻撃的」行動
米インド太平洋軍司令部は、中国の「J─16」戦闘機1機が先週、南シナ海の国際空域で米空軍偵察機「RC─135」のすぐ近くで「不必要に攻撃的な」行動を仕掛け、RC─135はそれによって乱された気流の中を飛行せざるを得なくなったと明らかにした。6abc Philadelphia / YouTube
米インド太平洋軍司令部は30日、中国の戦闘機「J─16」が先週、南シナ海上空の国際空域で米空軍偵察機「RC─135」に対して「不必要に攻撃的な」行動を仕掛け、RC─135がそれによる後方乱気流の中を飛行せざるを得なくなったと明らかにした。
公開された動画には、J─16に鼻先をかすめられたRC─135の操縦室が乱気流で揺れている様子が映っている。
同司令部は声明で「米国は国際法で許されたいかなる場所でも引き続き、安全かつ責任ある形で航空機の飛行や艦艇の航行を行う」と主張した。
在ワシントン中国大使館の劉鵬宇報道官は詳細にはコメントせず、米国がかねてから中国に対する「至近距離の偵察を目的として頻繁に航空機・艦艇を動員してきた。これが中国の国家安全保障に重大な危険をもたらしている」と電子メールで指摘。
「危険な挑発と中国への責任押し付けをやめるよう米国に求める」と述べた。
また、中国が今後も断固として国家主権と安全保障を守るために必要な措置を講じるとし、南シナ海の平和と安定を確実に守るために地域の各国と協力すると強調した。
中国側は一貫して、米国が南シナ海に艦艇や航空機を送り込むのは地域の平和にとって好ましくないと表明している。
昨年12月にも国際空域で中国軍機が米空軍機に異常接近し、米軍側が回避行動を強いられる事態が発生。米政府の見解では、中国軍機による危険な行動がエスカレートしているという。