欧州最大の陸軍大国を目指すポーランド
This NATO Ally is Building Strongest Army After Ukraine: Military Analyst
「ウクライナは独立を守ることができるのか。できないのであれば我々はこの紛争に参入しなければならない」と、ロシュチシェフスキは語った。「文明と文化の基礎となる我々の主たる価値観が脅かされることになるからだ」
この発言について、在仏ポーランド大使館は誤解があると主張した。同大使館は「ポーランドが紛争に直接関与すると言ったわけではない。ウクライナの敗北がもたらしうる結果を警告したにすぎない」とツイートしている。
だが、ミットゥンは、ロシュチシェフスキの発言を「その明確さ」において評価し、ロシアがウクライナに勝利することは、ロシアがNATOに勝利するに等しいことを明らかにしたと称賛した。
「東欧諸国は、ウクライナの生存権、つまり主権と独立のための戦いを、親切心だけで支持しているのではない。自国の防衛のために支持している」と、ミットゥンは書いている。「ウクライナの敗北がもたらす破滅的な結果を避けるために、最大限の努力をしているのだ」
彼はまた、アメリカがウクライナへの直接派兵と戦闘機の供与を避けているのに対し、ポーランドはその逆を行うと述べた。
「東欧がNATOにもっと関わりを求めたとき、NATOは後退った」と、彼は主張する。「そして大半がNATO加盟国でもある EU諸国がロシアのハイブリッド戦争にさらされていることを訴えても、NATOは欧州大西洋地域が平和ではないことを認めただけだった」
ウクライナ軍は世界最高
オーストラリア軍の元少将ミック・ライアンは先日、キーウ・ポスト紙に「ウクライナ軍は、NATO諸国から提供された武器と過去13カ月の経験のおかげもあって、世界最高水準の軍隊になった」と語った。
ミットゥンはその大きな理由として、ポーランドの支援を挙げた。同国は防衛費をGDPの2.4%から4%に引き上げ、「ヨーロッパ最大の陸軍」の構築を目指している。
ウィスコンシン大学マディソン校のミハイル・トロイツキー教授は、ロシアがウクライナで勝利する可能性があることと、ロシアの地上軍がポーランド領に近づいていることが重なって、ポーランドは、「深刻な脅威を感じている」と本誌に語った。
「とはいえ、ポーランドがロシアやウクライナで活動するロシア軍に対して、攻撃的な姿勢を提唱しているのを見たことはない」と、トロイツキーは言う。
彼は、ポーランド領内にミサイルが着弾した昨年11月の事件に触れた。当初はロシア軍の仕業だと思われたが、その後、ウクライナのミサイルが故障のせいでポーランドに着弾したものとわかった。この事件では2人が死亡した。
だがポーランドは、ロシアの仕業と思われていたときにもロシアを非難しなかった。NATOとして抗議するのであれば、「ポーランドやNATOに大きなリスクを与えることなく、ロシアに圧力をかけることができたはずだ」とトロイツキーは述べた。「このような姿勢では、ウクライナの防衛戦が突破されたとしても、ポーランド軍が独自にウクライナに入り、ロシア軍と交戦することなどありえない」
「そのときにロシアに厳しい警告を送れるのは、やはりNATOかもしれない」
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら