最新記事

食生活

スムージーもシリアルも...健康的に見えて実は危険な「隠れ糖分」フードに注意

Beware These Hidden Sugars

2022年8月26日(金)18時18分
モニカ・グリープ(ジャーナリスト)
健康イメージの食品

CLOCKWISE FROM TOP LEFT: LUCHEZAR/ISTOCK, OCUSFOCUS/ISTOCK, JIRKAEJC/ISTOCK, T_KIMURA/ISTOCK, OKEA/ISTOCK

<低カロリー・低脂肪をうたう商品や健康的なイメージのある食品であっても、その裏に潜む糖類のリスクを適切に把握することが重要だ>

食生活はできる限りヘルシーにしたい。そんなとき目を向けがちなのが、健康的とされる食品や低カロリー・低脂肪バージョンの製品だ。

確かに多くの健康食品は、カロリーは普通の食品より少な目だ。ところが、精製された砂糖がたっぷりという場合も。その結果、空腹感や特定の食品への渇望が増すことになりかねない。

糖分の摂取はインスリンの分泌を促す。上昇した血糖値を下げ、一定のレベルに保つためだ。だが上昇があまりに急激だと、インスリン分泌が過剰になり、血糖値は再び急低下しかねない。これが倦怠感や空腹感を引き起こす。

米厚生省と米農務省が共同発行する「アメリカ人の食生活ガイドライン」によれば、遊離糖類(食品・飲料に添加される糖類と、濃縮果汁などに自然に存在する糖分の総称)の摂取基準は成人の場合、1日に摂取するカロリーの10%未満。1日2000カロリーなら、200カロリーが上限だ。

「過剰摂取は短期的にも長期的にも健康に影響を与えかねない」と、フィットネス・栄養学専門家のペニー・ウェストンは言う。「短期的には血糖値の激しい変動を招き、空腹感が増す。長期的には、体重増加はもちろん、体内で炎症を引き起こし、細胞や臓器を傷つける可能性がある」

肥満対策に詳しいスポーツ栄養学者のマーク・ギルバートによれば、欧米式の食生活の意外な糖分源の代表格がシリアルやジュースだ。ヘルシーそうなのに、実は遊離糖類たっぷりのリスクがある食品を詳しくみると――。

■低脂肪ヨーグルト 

カロリーはより高くても、全脂肪ヨーグルトのほうがずっと健康的だ。糖分がより少なくてタンパク質は多く、腸の健康にもいい。「低脂肪ヨーグルトは糖類を添加して風味を強調している。1回に食べる分量(約245グラム)のうち、糖類が45グラム以上の製品もある」と、ウェストンは指摘する。

「全脂肪ヨーグルトはマグネシウムやビタミンK、アミノ酸、カルシウム、腸にいいプロバイオティクスにも富んでいる。フルーツ入りの製品は買わないこと。自分で果物を加えれば、糖分を減らせる」

ギルバートも同じ意見だ。「低脂肪製品はカロリーの半分以上が糖分の場合も。糖類が添加されているか、食品表示ラベルで確認すべきだ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

FIFAがトランプ氏に「平和賞」、紛争解決の主張に

ワールド

EUとG7、ロ産原油の海上輸送禁止を検討 価格上限

ワールド

欧州「文明消滅の危機」、 EUは反民主的 トランプ

ワールド

米中が閣僚級電話会談、貿易戦争緩和への取り組み協議
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い国」はどこ?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中