ヘンリー王子、国連で気候対策を訴え「お前が言うな」と大顰蹙
Harry and Meghan Slammed for Climate Hypocrisy—Even After Flying Commercial
マンデラを称える式典の間中、ほとんどずっと手を握り合っていたことも嘲笑のタネに Eduardo Munoz- REUTERS
<常々プライベートジェットで移動しているくせにどの口が!? 夫婦そろって不人気のアメリカで、自由と民主主義の大切さを説いたり、中絶禁止を認める米最高裁の判断に異を唱えるなどして「何様?」と、米世論を敵に回す>
英王室を離脱し、妻のメーカン妃と共にアメリカに移住したヘンリー王子は7月18日、ニューヨークの国連本部での演説のなかで気候変動への対策を求めたが、ジャーナリストらはこれが「偽善」だとして猛反発している。
南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)廃絶に貢献した故ネルソン・マンデラ元大統領の誕生日を記念する「ネルソン・マンデラ国際デー」に合わせた今回の式典に出席するため、ヘンリー王子とメーガン妃は移住先のカリフォルニア州から「商用航空」を利用して移動したとわざわざ公表したが、一部メディアが問題にしたのは、夫妻が常々プライベートジェットで移動していることだ。
ヘンリー王子は父親のチャールズ皇太子、兄のウィリアム王子と共に、以前から気候変動に関心を寄せ、積極的に発言してきた。2019年には持続可能な旅行を提案する非営利団体トラバリストを立ち上げてもいる。
国連で行なった演説では、気候変動が世界中に「大惨事を引き起こしている」と警告。最も弱い人々が最も深刻な影響を受けていると訴え、アフリカの記録的な大干ばつを取り上げてこう述べた。「かの地の干ばつは、世界中で起きている異常気象の一例にすぎない。私がこうした話している間にも、世界はまたもや殺人的な熱波に襲われている」
「そもそもどうして彼が選ばれたんだ?」から始まるニュース番組
「厚顔無恥」
「何十年に一度と言われるこうした現象は、もはや毎年のように繰り返されており、異常でも何でもない日常的な現象になりつつある。この危機は悪化する一方だ......各国指導者が立ち上がらない限り。この神聖な場に代表を送り込んだ国々が、社会を変容させる大胆な英断を下さない限り、人類の未来には絶望しかない」
ヘンリー王子のこの演説には一部のコメンテーターが即座にかみついた。プライベートジェットで移動しながら、気候変動について人々に「講釈を垂れる」とは何様か、と。
「よほど厚顔無恥でなければできないことだ」と、英紙サンのコラムで断じたのはメーガン妃批判で鳴らす英ジャーナリストのピアーズ・モーガンだ。「おそろしく燃費が悪いプライベートジェットをタクシー並みに利用しながら、彼が今日やったように国連で演壇に立って、気候変動について講釈を垂れるとは!」
モーガンはまた、ネルソン・マンデラの孫のンデラ・マンデラにインタビューした際に、ヘンリー王子が気候変動について訴えていることをどう思うか聞いたと明かし、ンデラの次のような答えを紹介している。
「(スイスのダボスでは)毎年世界経済フォーラムが開かれ、各国首脳がプライベートジェットに乗って集まってきて、気候変動について話し合うが、いくらきれいごとを並べても、行動を伴わなければ意味がない。ヘンリー王子にしても、各国首脳にしても、お題目を唱えるのはいい加減にして、きちんと責任を果たしてほしい」