サル痘の流行は「ウクライナ支援国」のゲイばかりと、ロシア国営TVで嘲笑
Russian State TV Mocks Other Countries Suffering Monkeypox Outbreak
一方、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンが2月24日にウクライナに侵攻して以来、軍事同盟の北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、武器を提供するなどの軍事面でウクライナを支援している。当然ながら、感染が確認された国々すべてが、ウクライナに軍事支援を行なっている国と合致するわけではない。
NATOに加盟しているのは、欧州28カ国とアメリカ、カナダの計30か国だ。米上院は5月19日、400億ドルを超えるウクライナ支援を定めた法案を可決した。これにより、継続中のウクライナ戦争に対するバイデン政権の支援総額はおよそ540億ドルに達する。4月28日時点で、欧州連合(EU)加盟国の多くを含む31カ国が、ロシアによる侵攻を受けたウクライナに軍事支援を行っている。
サル痘の感染がこれまで確認された国々は、オーストリア、ベルギー、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、イスラエル、アラブ首長国連邦、アルゼンチン、カナダ、アメリカ、オーストラリアだ。
「ロシアでは集団免疫ができている」
ロシア国営テレビの番組でジュラフリョフは、ロシアでは「サル痘の感染者はいない。ただのひとりも」と言い、これを聞いた司会者らは愉快そうに笑い声をあげた。
ロシアの衛生監視当局は5月23日、「ロシアでは、かつて天然痘ワクチンの集団接種が行なわれていた」ため、サル痘に対する集団免疫ができていると述べ、1980年代まで同国で行なわれていた天然痘ワクチンの強制予防接種に言及した。
「かつて天然痘ワクチンの接種が行なわれていたため、サル痘感染による重症化リスクは低減する。すべてのポックスウイルスには高い交差防御力があるからだ」と衛生監視当局は述べている。「ロシアでは集団免疫ができており、サル痘の感染拡大は抑制される」
サル痘は1970年に、コンゴ民主共和国(当時のザイール)に住む子ども1名の感染で初確認された。WHOによるとサル痘ウイルスは、傷口や体液、呼吸器飛沫のほか、寝具などの汚染した物質を介して感染する。潜伏期間は通常6日から13日だが、場合によっては、5日から21日と幅がある。
症状としては、皮膚病変、頭痛、筋肉痛などの体の痛み、発熱、リンパ節膨張、強い倦怠感などがある、とWHOは述べている。とはいえ、新型コロナウイルスのように、一般市民に爆発的に感染が広がるリスクは低いとされている。
(翻訳:ガリレオ)