最新記事

ブランド

これからは「俺専用」──飛行機すらサブスク時代の「パーソナライズ」とは?

Trying to Stand Out

2022年4月25日(月)17時05分
メーガン・ガン

航空会社の「サブスク」も

「私たちの調査によると、顧客ごとのパーソナライズが上手なブランドは、平均的なブランドに比べて売り上げが40%多い」と、マッキンゼーのホアンは言う。

ロイヤルティープログラムの本質は、消費者が購買行動のデータを差し出す代わりに、特典を受け取るという取引にある。

シュナイダーによれば、消費者はその取引が割に合うものだと感じたい。そのために大きな意味を持つ要素の1つがパーソナライズだ。

例えば、セフォラは「ビューティー・インサイダー」の会員に、愛用ブランドの新製品発売情報を電子メールで知らせている。スターバックスは、「リワード・プログラム」の会員に過去の購入履歴に基づいてさまざまな特典を提供している。

これとは別に、有料のロイヤルティープログラムやサブスクリプション(定額課金)サービスも増加している。

この2月には、アラスカ航空がアメリカの航空会社で初のサブスクリプションサービスを開始した。会員は定額の会費を支払う代わりに、米西部で往復直行便を一定回数利用できる。

この種のプログラムの効果は大きいらしい。マッキンゼーの調査によると、有料のロイヤルティープログラムの会員になった人は、それ以前に比べてブランドに支出する金額が増える確率が60%高い。

一方、無料のロイヤルティープログラムの場合、その確率は30%の上昇にとどまる。

だが、顧客の期待に応えるのは簡単でない。「顧客に金を払わせるためには、その料金を明確に上回る恩恵を提供できなくてはならない」と、ホアンは言う。

例えば、アマゾンの「アマゾン・プライム」の場合、月額14.99ドル(米国内の金額)の会費と引き換えに、膨大な種類の商品の迅速な配送と、娯楽コンテンツのストリーミング配信を行っている。

しかし、小規模な専門業者のサブスクリプションサービスが消費者にアマゾン並みの魅力を提供するのは難しいかもしれない。

顧客ロイヤルティープログラムは、どのように進化するのか。今後は「消費者と共に成長していく」プログラムが当たり前になり、異業種の企業が共同でプログラムを運営するケースも増えるだろうと、ホアンは予測している。

ニューズウィーク日本版 AI兵士の新しい戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月13号(1月6日発売)は「AI兵士の新しい戦争」特集。ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

豪CPI、11月は前月比横ばい コア高水準続き利上

ワールド

中国、台湾独立派3人に制裁 親族の入境も禁止

ビジネス

午前の日経平均は反落、年初急伸の反動売り 下げ渋り

ワールド

JAXA、H3ロケット9号機の打ち上げ延期 8号機
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが「手紙配達」をやめた理由
  • 4
    「見ないで!」お風呂に閉じこもる姉妹...警告を無視…
  • 5
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 6
    「悪夢だ...」バリ島のホテルのトイレで「まさかの事…
  • 7
    若者の17%が就職できない?...中国の最新統計が示し…
  • 8
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 9
    砂漠化率77%...中国の「最新技術」はモンゴルの遊牧…
  • 10
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中