仰向けで、ひざ裏がベッドから浮く人は注意...「ひざの痛み」をもたらす「圧迫」
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<なぜこんなことに今まで気付けなかったのか......多くの人が抱える「ひざの痛み」の仕組みと、痛みを自分で解消できる方法を紹介>
東京・足立区で「アスリートゴリラ鍼灸接骨院」を開業し、ひざ痛を解消するためのセルフケア法を公開した高林孝光の新刊『ひざ痛がウソのように消える! 1日40秒×2 ひざのお皿エクササイズ』より、治療の現状や痛みの生じるメカニズム、セルフケアの方法について紹介する全3回の抜粋紹介。今回はその第2回。
第1回:「ひざの痛み」という悩みがいつまでも解消されない、日本ならではの事情
運動療法こそ治療の王道
「ひざ痛を治すには、運動療法こそがベスト」という結論に達した私は、さまざまな運動療法について研究を始めました。
確かに、急性期の痛みが激しい状態では、体を動かすのはむずかしいでしょう。しかし、だからといって、そのまま安静にし続けていると、ひざが廃用性萎縮(安静状態が長く続くことによって起こる筋肉や関節などの萎縮)を起こし、痛みはますます激しくなります。また、安静にして一時的に痛みが引いたからといって、以前と同じようにひざを動かせば、痛みの原因は変わらずに残っているため、痛みは必ずぶり返します。
ひざに痛みがあっても、無理のない範囲でできる運動を考案するために、私は改めて解剖学の専門書を見直してみました。そして、ひざを側面から見た図を見て、ある一ヵ所に目が釘付けになりました。それは膝蓋骨(しつがいこつ)という骨でした。
膝蓋骨といっても、一般のかたには、あまりなじみがないかもしれません。しかし、「ひざのお皿」といえば、誰でもすぐにわかるでしょう。膝蓋骨とは、ひざのお皿のことなのです。
ひざのお皿に、ひざ痛を解消するカギがあるのではないか──そう直感した私は、ひざのお皿について、改めて調べてみました。
滑車の役割をする重要な骨
筋肉や腱(筋肉と骨を結びつける結合組織)の中に形成される骨を「種子骨」といいます。
種子骨は、頻繁に移動する部位に生じ、腱や靱帯の方向を変え、骨と腱の間の摩擦をへらし、腱の能力を高めたり、脱臼を防いだりします。
ひざのお皿は、人体で最大の種子骨であり、人体で最も厚みのある軟骨ともいわれています。大腿骨とつながっており、ひざの前面を保護する役割をすると同時に、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)の腱ともつながっていて、ひざを曲げ伸ばしするときに、大腿四頭筋の収縮と伸展を脛骨に伝えるための滑車の役割もになっています。
『ひざ痛がウソのように消える! 1日40秒×2 ひざのお皿エクササイズ』
著者:高林 孝光
出版社:CCCメディアハウス
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