最新記事

イギリス

英スーパー、ソーセージを成人用として販売 客は年齢確認に赤面

2022年1月13日(木)14時50分
青葉やまと

スーパーでソーセージを買おうとしたら...... Natissima-iStock

<のどかな田舎町のスーパーで、買い物客を赤面させるちょっとしたアクシデントが発生した>

ロンドンから北へ車を1時間ほど走らせると、ケンブリッジ郊外・フルボーンの町へたどり着く。一面の畑に囲まれた閑静な住宅街が広がり、ところどころに残る石造り建造物が歴史の面影を感じさせる小さな町だ。美しい田園風景に心安らぐこの地で、ちょっとした事件が起こった。

町からケンブリッジ方面に足を伸ばすと、住民の生活を支える大手スーパーのテスコの店舗がある。半導体大手のARMに勤める30代男性エンジニアのフフ・ファン氏が店舗を訪れたところ、思いもよらぬショッピング体験をすることになった。

他の食品も含め11点ほど買い込んだファン氏がチェックアウトに向かうと、セルフレジの画面に年齢確認を求めるメッセージが表示された。赤い警告マークとともに、「年齢確認が必要、最低18歳以上」との注意書きだ。

ファン氏の買い物カゴにはアルコール類が入っていたわけでもなく、アダルトな商品があったわけでもない。問題となったのは、1本の乾燥ソーセージだ。

商品名の登録にミスが

混乱の原因は、乾燥食肉で有名なフランス・バスティッド社のドライソーセージだった。ドライソーセージは厳密には複数のカテゴリに分類されるが、その一つであるサラミをイメージするとわかりやすいだろう。主にポークを使って作られるフランス版のドライソーセージは、ソシソン・セックあるいは単にソシソンと呼ばれる。

ファン氏を赤面させた不幸なアクシデントは、スーパー側がこの商品名を誤ってラベル付けしたことで発生した。本来はソシソン・セック(saucisson sec)と入力すべきところ、ソシソン・セカトゥール(saucisson secateurs)の名称でレジのシステムに登録されてしまっていたようだ。これは「フランスソーセージ剪定バサミ」を意味する。

刃物を買おうとしているとセルフレジが誤認したことから、安全のため年齢確認が要求される運びとなった。セルフレジのシステムが自動的にハサミの単語を検出したのか、あるいは誤登録された商品名をみた別のスタッフが誤って成年用のマーキングを付加したのかは定かでない。いずれにせよ、乾燥ソーセージが年齢確認商品に分類される珍事となってしまった。

赤面し、ドッキリかと

地元ニュースサイトのケンブリッジシャー・ライブによると、ファン氏は「当該のソーセージを買える年齢かを尋ねられ、とても驚きました」とコメントしている。

地方紙のマンチェスター・イブニングニュースは、やや大袈裟に取り上げているようだ。「テスコの買い物客、ソーセージを買うのに身分証を求められ恥をかかされる」「買い物客は仰天した」と報じている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、米国に抗議 台湾への軍用品売却で

ワールド

バングラデシュ前首相に死刑判決、昨年のデモ鎮圧巡り

ワールド

ウクライナ、仏戦闘機100機購入へ 意向書署名とゼ

ビジネス

オランダ中銀総裁、リスクは均衡 ECB金融政策は適
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 7
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 8
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 9
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 10
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中