香港は中国で最も腐敗した都市になる
KILLING HONG KONG
立法会の定員は70人から90人に増えるが、うち40人は選挙委員会が選ぶ。直接選挙による議席は35(従来の定員の半数)から20に減らされる。残りの30議席は各種の職能団体に割り振られる。
さらに、香港警察の国家安全部門の助言を得て候補者を選別する資格審査委員会が新設された。全ての立候補希望者について、過去に「反党活動」がなかったかどうかを精査する仕組みだ。
こんなに規制だらけだと、市民は選挙への関心を失うだろう。だから当局は先手を打って、選挙ボイコットの呼び掛けも違法行為に認定する計画だ。既に立法会議員や司法関係者、公務員には忠誠の誓いを立てさせており、拒否すれば議員資格の剝奪や解雇に直面する。
一方で学校には国安教育のガイドラインを示し、国安法の意義と本土愛を説く新しい教科書を配布する。
香港島内の美術館も、国安法に違反するような作品を展示しないよう命じられ、警察の国家安全部門による事前審査を求められる。艾未未(アイ・ウェイウェイ)のように政治的・挑発的な人物の作品は間違いなく撤去されることになるだろう。
ここまで来ると、もう香港は立派なミニ警察国家だ。かつてアジアで最も有能で腐敗と無縁とされていた香港警察が、今は本土の治安部隊並みに傍若無人に振る舞っている。
抗議デモの参加者には平気で催涙弾やゴム弾、ビーンバッグ弾、さらには猛烈な放水を浴びせる。しかも至近距離で、水平射撃だ。こうなると、本来は殺傷能力のない武器でも致命傷を与えられる。
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香港は腐敗した場所になる
2019年8月11日以降、警官隊は日常的にデモ参加者を警棒で殴り、押さえ付けて顔を地面に擦り付け、傷口に唐辛子スプレーを吹き掛けるなどの暴力を振るうようになった。
同年10月1日と11月11日には実弾を発射し、非武装の市民に瀕死の重傷を負わせ、救護の医師や看護師たちが抗議の座り込みをする場面もあった。
2019年7月21日と8月31日の事件は特に悪名高い。7月の事件ではバットや棒で武装し、白い服を着た集団が地下鉄の元朗駅で通勤客や歩行者を無差別に襲った。現保安局長のクリス・タンは当時、この地区を統括していた。
事件前には、警察幹部が白シャツの男たちと話している様子が撮影されており、政権擁護派の議員、何君尭が武装集団のリーダーと握手しているのも目撃されている。そのため、警察が襲撃者と共謀しているのではないかと疑われた。