最新記事

リモートワーク

コロナ収束の近未来に、確実に勃発する「リモートvs出社」バトル

WE'RE HEADED FOR A REAL CLASH

2021年6月24日(木)11時41分
ポール・キーガン(ジャーナリスト)

210629p42_re05.jpg

体温チェックを受けるバレーボール部の生徒 STAN GROSSFELD-THE BOSTON GLOBE/GETTY IMAGES

ジョージア州アトランタのマーケティング部長であるヘザー・クープライダーは、毎朝の瞑想と散歩と朝食が習慣になった。慌ただしく出勤していた頃よりはるかに幸せで集中できているという。2人とも新たに手にした自由を失いたくないようだ。

一方で、リモートワークでは孤独感が強過ぎたり、家族がいたりするので、1週間のうち何日かは出社勤務をしたいという社員もいる。若い社員は特に、社内の現場で企業文化を吸収したり先輩の助言を得たりすることを必要としている。

ウェイクフィールド・リサーチは昨年10月、労働者の90%が職場を恋しがっているとの調査結果を発表。特に友人やチームの仲間(47%)、休憩中の雑談(31%)、福利厚生の無料ランチ・軽食(36%)などが恋しいようだ。

ハイブリッドな解決策を模索

希望する出社日数は個人差が大きく、管理職はその調整に頭が痛い。PwCが昨年11~12月に実施した調査では、1週間のうち5日はリモート勤務を希望する社員は29%、2~3日が35%、4日が10%、1日が10%。フルに出社したいと回答した人は8%だった。

希望が通らなかったらどうするのか。リモートワークを一切認めない企業では働かない──全体の54%の社員がそう考えていることが、今年2月に実施されたハリス社の世論調査で明らかになった。

しかし、リモート勤務が多くなり過ぎるとリスクもあると専門家は指摘する。出社勤務する人に比べて軽視される、重要な決定に加われない、昇進回数が減る、職場での人間関係がうまくいかない、長時間働いても評価されない、などだ。

上司から出社勤務を命じられたら、ほとんどの場合、パンデミックの最中であろうと法的には拒否しづらい。雇用機会均等委員会(EEOC)は昨年6月に企業向けのガイドラインを更新。従業員は特別な事情がない限り、新型コロナに感染するのが怖いという理由で出社勤務を拒否することはできないとしている。

それでも米国身体障害者法(または病気の家族の世話をする場合は育児介護休業法)の対象となる状況であれば、リモートワークを希望することはできる。連邦法および州法では、雇用主はフェイスマスクの義務付けなど適切な安全対策を講じなければならない。

家で子供の面倒を見るのは従業員の責任で、コロナ禍で有償の保育サービスが利用できなくても、昨年3月に制定された家族ファースト新型コロナウイルス対策法により、最大12週間の有給休暇(1日200ドルまで)を取得できる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送英アンドルー元王子を釈放、今後も捜査継続 公務

ビジネス

テスラ、米国でサイバートラック「サイバービースト」

ワールド

アングル:エプスタイン元被告、中東政財界に強いパイ

ワールド

米ITC、USMCAの自動車原産地規則に関する調査
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 5
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 6
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 7
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 8
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 9
    カンボジア詐欺工場に「人身売買」されたアフリカ人…
  • 10
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 5
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 8
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中