「私は黙っていられなかった!」 バイデンに勝利もたらした女性票
トランプは駄目
トランプ氏は福音派キリスト教徒の白人有権者の間で強い支持を誇っており、エジソンによると今回もその76%が彼に投票した。しかし16年に比べると4%ポイント低下している。
失った票の1つはハイラ・ウィンターズさん(71)のものだ。
以前、大学で事務職をしていた彼女はネバダ州ラスベガスの大規模な教会に定期的に通っている。16年、トランプ氏に投票したが、その後、トランプ氏が敵と見なす人々を攻撃する姿に失望するようになった。移民の子供たちを親と無理やり引き離す政策にもぞっとした。民主党の政策全体を受け入れているわけではないが、バイデン氏は「良識ある人」だと思っている。
もっと政治に関わりたいと、動画投稿サイト「ユーチューブ」でブログの作成方法を知り、2月にブログを立ち上げて「nottrump.net(トランプは駄目)」と名付けた。
警察の暴力に対する抗議活動が活発化すると、黒人の友人に連絡を取って「白人の特権」についてもっと知ろうと努めた。
期日前投票ではボランティアとして7日間、投票所に通い、投票の仕方について有権者の質問に答えたり投票ブースの設営を指示したりした。最終日、投票開始前から駐車場を抜けて続く行列にウィンターズさんは驚いた。
「恥ずかしながら、私は本当に変わった。71歳になるが、ここまで大統領選に関与したのは初めて」
ただ残念なことに、翌4日になって新型コロナに感染していることが分かった。周囲にたくさん人がいた場所として思い当たるのは期日前投票の時だ。自身は屋外のテントでマスクをしていたが、一部の有権者はしていなかった。
トランプ氏支持者の夫も陽性と診断された。2人とも深刻な症状は出ていないが、一緒に隔離措置を取ることになった。2人で政治的立場の違いを埋める時間が持てるかもしれない、とウィンターズさんは語る。
期日前投票でボランティアをする際には、感染リスクをあまり気にしていなかった。だが、もし気にしていたとしても「ボランティアをやったでしょう。あまりにも重要すぎる事だから」
(Mica Rosenberg記者、Gabriella Borter記者、P.J. Huffstutter記者、Mimi Dwyer記者、Chris Kahn記者)
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