「最強の時短仕事術」で、毎朝やるべき1つのこと
まずはその日に取り組む必要のあるタスクを明らかにすることから始めよう Tero Vesalainen/iStock.
<その日に取り組む必要のあるタスクを明らかにして順番を決めておけば、意識が散漫にならずにタスクの処理に集中できる>
複数のタスクを同時並行でこなす「マルチタスク」ではなく、一つの事柄に集中して着実に処理をする「ワンタスク戦略」――それを繰り返すことで「確実な成果」を必ず手にすることができ、効率よく仕事を進めることも可能になる。
この「一点集中」を実践して成果を挙げているのが、司法書士や監査業務、講演、経営など、多様な能力が求められる仕事を同時並行で進めている碓井孝介氏。その経験・実践に基づくスキルを著書『図解でわかる 一点集中のすごいコツ――最強の時短仕事術』(CCCメディアハウス)で公開している。
その一部を抜粋し、3回に分けてこちらで掲載する。今回はその第2回。
*抜粋第1回:「マルチタスク」など存在しない、効率がいいのは一つのタスクに集中する「ワンタスク」
*抜粋第3回:仕事への集中を邪魔するスマホは大敵、ではどうすればいい?
Task Rule 6 毎朝の「タスクピックアップ」と順番決め
◆行き当たりばったりではいけない
ワンタスク戦略では、タスクを一列に並べて、それらを黙々とこなすことになるため、何らかの方法で「タスクの整理」が必要です。
しかし、多くの人は、手に取りやすいタスクから1日のタスク処理を始めるもの。デスクに向かったら、何も考えずに前日にやり残した仕事から取り組んだり、視界に入った資料に関するタスクから、やみくもに手をつけるのです。
ワンタスク戦略では、行き当たりばったりではいけません。タスクを整理し、一つひとつに集中できるようにしなければいけないのです。
まずはタスクを一列に並べるために、その日に取り組む必要のあるタスクを明らかにすることから、1日を始めてください。
◆毎朝の「タスクピックアップ」のすすめ
オフィスに出向いたら、毎朝「今日のタスクの確認」から始めるのです。このことを私は「タスクピックアップ」と呼んでいます。これは毎日行い、必ず習慣にしましょう。
くどいようですが、思いついたタスクから手をつけることはやめてください。思いつきでタスクを処理していては、タスクを処理している途中で別のタスクを思い出したりして、意識が四方八方に散らばってしまうからです。
毎朝、タスク処理に取りかかる前に、今日するべきタスクを思い起こしてください。そして殴り書きで構わないので、それらのタスクを紙に書き出します。紙に書けば、頭の中だけでピックアップするよりも、より明確になるためです。
◆タスク処理の順番を決める
タスクピックアップができたら、次はタスク処理の順番を決めましょう。これも実際のタスク処理に取りかかる前の時間帯、つまり「朝」に決めてしまうというわけです。
タスクピックアップだけではなく、順番を決めるときも、頭の中だけで終わらせてはいけません。順番を決めるときも、紙に書いて整理することが大切。頭の中だけではなく、きちんと「形」にするのです。
なお、紙に書き込む際は、きれいに書く必要はありません。殴り書きでピックアップした各タスクの横に、数字で「①、②......」とメモするだけでまったく構いません。大切なのは、そのあとのタスク処理そのものであって、タスクピックアップと順番を決めることは、あくまでも「タスクのためのタスク」にすぎないからです。