最新記事

温暖化対策

イギリス、2035年からガソリン車とディーゼル車を販売禁止へ 5年前倒し

2020年2月4日(火)11時00分

ジョンソン英首相は4日に行う講演で、ガソリン車とディーゼル車の販売禁止について、従来より5年前倒しの2035年から実施すると表明する見通し。写真はロンドンのEV用充電ステーション Mary Turner - REUTERS

ジョンソン英首相は4日に行う講演で、ガソリン車とディーゼル車の販売禁止について、従来より5年前倒しの2035年から実施すると表明する見通し。

英国は今年、11月にグラスゴーで開かれる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の議長国を務める。

4日にロンドンで開かれる関連イベントでの講演を前に、ジョンソン首相は声明で「COP26の開催は英国と世界各国にとって気候変動対策強化の重要な機会になる」と指摘。

「2050年排出実質ゼロの目標に向けた今年の英国の計画を明らかにするともに、諸外国に排出実質ゼロを英国とともに公約するよう求めるつもりだ」とした。

ジョンソン氏は、排出実質ゼロの早期達成に向け、クリーンな技術への投資や自然生息地の保全、気候変動の影響への耐性を高めるための方策を含めた国際的な取り組みを呼び掛ける見通し。

ガソリン車とディーゼル車の販売禁止については、2035年か、可能であればさらに早い時期に前倒しで実施する計画を示す。ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車も含まれるという。実施前に意見公募を行う。

英国以外にも、フランスは2040年以降、ガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針で、ノルウェーの議会は、25年までに国内の全ての車を排出ゼロにする法的拘束力のない目標を採択した。

ただ、英国ではディーゼル車とガソリン車が国内販売の9割を依然占めており、充電施設の数が少なく、エコカーのモデルも限定的で割高との声が聞かれる。

[ロンドン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200211issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月11日号(2月4日発売)は「私たちが日本の●●を好きな理由【韓国人編】」特集。歌人・タレント/そば職人/DJ/デザイナー/鉄道マニア......。日本のカルチャーに惚れ込んだ韓国人たちの知られざる物語から、日本と韓国を見つめ直す。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

第2次トランプ政権で初の大型IPO、LNG大手17

ワールド

ブルームバーグ氏慈善組織、トランプ氏が中止する国連

ワールド

中国と貿易合意可能とトランプ氏、関税「使わない方が

ビジネス

25年春闘は昨年以上の結果出す、毎年5%以上の賃上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 3
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ人の過半数はUSスチール問題を「全く知らない」
  • 4
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 5
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 6
    「後継者誕生?」バロン・トランプ氏、父の就任式で…
  • 7
    電気ショックの餌食に...作戦拒否のロシア兵をテーザ…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    欧州だけでも「十分足りる」...トランプがウクライナ…
  • 10
    【トランプ2.0】「少数の金持ちによる少数の金持ちの…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 7
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 10
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中